2008'12.28.Sun
level.46 (きらめき団2008展覧会開催中。会場へはコチラから→)
年末までのわずかな時間…。どうにか毎日UPして2008年を終わりたいと思います。これ、今年の最後の目標。
こんばんわ、スナです。今日は会社の忘年会ですた。このチームになってから初めてココの呑み会に参加したワケですが、矢鱈と気を使ったので疲れますた…。
元々アルコールは強くないし、呑まなければ一生呑まなくても良いってな人間なのですが、ちっとも酔いが回るのを感じなかったのが証拠だと思います。
自由人だと良く言われますが、これでも結構小心者で、周りを見ているんですよ。決して私はKYではないと言い切れます(言い切っちゃってるあたりがKYじゃないかと…)
秋頃から前兆はあったのですが、最近特にしばしば頻繁に口内炎ができてしまうのが悩みです。あ、呑み会の話は以上です。単に記録として書きとめておこうかなと思っただけ。
私の口内炎に対しての一番の特効薬は、ハチミツ。
ダイレクトにタラ~と付けると一発で治ります。
…って言いたいところですが、最近の口内炎は進化したのか、なっかなか撃退してくれません。
それでも他に良い方法を知らないので今夜もダイレクトに垂らしてます。反射的にスグに舐めてしまうので、予想外の量を摂取してしまうこともあります…。
皆様もお試しあれ。ってか最近「口内炎出来てる」とか聞く人、あんまいないんだけど。私だけ?口内炎?
スプーン置き場に使っている小汚い、まるでミルのご飯入れのようなこの器は、
私がこの世に生まれて初めて「食事」に使った器です。
両側の「とって」も折ったんじゃなく、極自然にと言って良いほどパキッととれてしまい、危ないし、とにかくボロいので「もう捨ててしまおう」とこれまで何百回も思いましたが、どうしても捨てられない…。
面白いもんだな~としみじみ思います。
どう見ても普段の食器には使えないモノなんですが、こうした何かしらちょっとしことには必ずコレを使うし、人前には絶対に出せない(こうしてブログには堂々と出してますけど)代物なんですが、
やっぱりどうしても捨てられない。
自分自身が。
この器で初めて食事をしたぜ!ってな記憶なんてあるワケないんですけど、何だか…体の一部のように感じるのです。
それに…。
一番初めの記憶はなくても、この器を使って家族皆で食事をした記憶ならある。いつもシチューやスープが注がれていた。
私のちまい両手でもスッポリ納まってしまうサイズなので、私限定でこの器を使っていたワケですが。
モノを大切にするのが好きです。
大事にするんじゃなくて、大切にする。
日々、何かしらちゃんと利用するし、フツーに手入れをする。特別扱いはしないんですが、でも大切にする。
そうして気付けば…
こんなにもボロボロになっているんですが、それでも何かしら使えないかと考える。
コイツの命の終わりは考えない。思い出や歴史がまるで私の一部のようになっているから終わるときは自分と共だ。自分の命の終わりを考えたり自分で決めたりするなんてことは、滅多なことがない限り、通常の生活の中では考えない。
綺麗なモノや高価なモノたちに囲まれ、溢れかえっているだけが、決して豊かに生きることであるとは思いません。
数は少なくとも、こうして自分だけの特別なモノを持ち合わせていることもその人にとっての豊かな生活に繋がるんじゃないかなあと思うのです。
ま、単にビンボーの戯言でもあるんですけどね。
でも実際。
こんな器一個くらいフツーに買えるんですけど(そこまで極限ではない)でもどうしても代わりを見つける気にもならないし、この器を手放すことも出来ないのは事実。
歳を重ねてきて分かることがあることをココ数年で気付きました。
今日この場に出したこのボロボロの器のことだけでなく、人間関係も同じだと思います。
何度も何度もケンカして…
お互い傷ついてボロボロになってもそれでも、どうにか修復したい。関係を直したい。
そう考えて努力して…仲直り。
以前より格好は付かない見た目でも、それでも以前より随分と何故かしら愛着を感じてしまう。
ケンカして…仲直り。
そんな繰り返しが、ドンドンドンドンもう離れることが出来なくなってしまう。
格好悪いのに、離れられない。むしろ一緒にいたい。
そういうことが人を大切にするってことじゃないのかなあとふと思いますた。
人はモノとは違い、ナマモノであり、そして感情や頭脳もあります。コッチからの一方的な愛情だけでは関係が成り立たないことだってある。
でもだからこそ、面白いとも思う。本気でぶつかる意味がある。
私には。
無骨で格好悪くて、高価でもなく勿論ブランド品でもなく、いくらでも替えなんて見つかりそうな…そんな人から見れば「捨てなさいよ!」って言われてしまうようなモノたちを、
トランク1つに収めてしまえそうなくらいしか持ち合わせていないけど、
どれもこれも私の大切な一部であり、これらを捨てることは、自分をも捨ててしまうことになると言う代物たちです。
簡単に色んなモノが手に入る世界に住んでいるからこそ、こういう気持ちは忘れたくない。
そう思います。
つうか口内炎、早く治らんかいな。
「ありがと~」
赤ワインを注いでいる私にジークフリートは優しい声で言う。
閉店して片づけをして、そしてランチの下ごしらえをして…。気付けば夜中の1時。これが料理長である彼と、そして私の長い長い1日の終わり。その終わりに決まってジークフリートはワインを一杯だけ飲む。
「オマエもどうだ?」
そう誘われた時から今日までずっと私は彼専属のソムリエだ。ジークフリートしか知らない私の肩書き。
「うん。今晩はフランスのワインだね」
まるで独り言のようにジークフリートは言うと、美味しそうにワインを一口飲んだ。
「ピンポーン、正解。ボルドー。今日はちょっと疲れたからコクのあるのにしてみましたって、このワイン、今日入って来たばかりだからファウストがまたむすくれるかも~」
ソムリエのファウストは、この店で一番の年長者。そしてこの店のオーナーでもあるけど中身は一番若いって言うか幼い。いつも皆にからかわれるターゲットとなっている。あんなんで良くオーナーが務まっているなあとある意味感心するけどだからこそ、皆それぞれ必死にこの店を支えたいって頑張っちゃうのかも知れない。皆、この店が大好きだから。
アハハ~と笑いながら自分のグラスにもドボボと遠慮なく注ぎ、簡易の丸椅子に腰掛けた。そんな私にジークフリートは少し肩をすくめておどけて見せ、そして言った。
「ムラサキ、いつもありがとうな」
「え?」
私はグラスから口を離し彼を見た。ジークフリートは俯いてグラスを軽く振っている。
「オマエが来て凄く明るくなったよ、この店。男ばかりでむさ苦しいってのもあったけど」
店で働き出してもうすぐ一年になる。それでジークフリートはこんなことを言っているのだろうか…。普段はノラリクラリと世間話や料理の話をしてお互いの疲れを癒す、そんな井戸端なのに。
「オマエがこの店に来たときは、こんなお嬢ちゃんに料理なんて作れるのか?って不安だったんだ」
チラリと伺うように私を見る。
「まぁね。怪しまれても仕方がないわ。こんなアジアのチビッコがイタリアの本格レストランのシェフってね。どう考えても可笑しいでしょ」
私の言葉にジークフリートはまた俯いてグラスを軽く回しながら続けた。
「いくらファウストが連れてきた子だと言っても、そしてフランスの二ツ星シェフをしてたと言われてもな~。なんせこの世界は肩書きよりも実際の力がモノを言うからな…。ちょっと寂しいけど」
私は「そうね」と相槌を打った。ジークフリートは大柄でクマのような外見とは裏腹にとても繊細で優しい心の持ち主だ。誰にでも…こんな私にすら、傷つけないようにゆっくり優しく伺うように言葉を選ぶ。
「オマエが来てくれて本当に良かった」
ジークフリートは真っ直ぐ私を見て微笑んだ。
「ムラサキの作る料理には不思議な力があるよ。何だろうコレは…う~ん、うまく言えないけど、もしかしたら俺の全く知らないジャポネの魅力なのかも知れない」
いつもに増して真剣なジークフリードの言葉に思わず噴出してしまった。少し気まずそうな彼に慌てて言う。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃなくて…。そうね、日本…か」
「ムラサキ」
ジークフリートは真っ直ぐに私を見据えて言った。
「恋しいかい?」
私は即答する。
「ちっともって言うか、恋しいも何も…」
私はワインのグラスを置き、ジークフリートを真っ直ぐ見て言った。
「私はいてもいなくても同じなの。ならばいない方が良いし、いる意味のある場所に私はいたい」
熊のような大きな手でその真っ黒の髪をクシャリと掻いた彼の表情は、泣き笑いをしているようだった。
「ジークフリート?」
「ありがとう、ムラサキ。本当にありがとう。俺はオマエが居てくれて本当に嬉しい。俺だけでなくアルもルカもレオも…。カメリエーレたちも…あ、フェルナンドもな、あれで1番オマエのこと、気に入ってるんだぜ~」
知ってるわと、ちょっと生意気な口を挟んだ私に微笑みそして続けた。
「オマエの好きなだけ此処にいれば良い」
私は胸が詰まって何だか泣きそうになった。隠すようにワイングラスに口をつける。
「ただ…」
視線を外し、再び俯きながら発した彼の言葉に私は驚愕した。
「オマエを待っている人間がいることも忘れるな」
「え!?」
ジークフリートは躊躇いながら1枚の封筒を差し出す。ぎこちなくそれを受け取った。表も裏も真っ白で差出人も何も分からない。怪訝に思いつつ封を切って便箋を取り出し広げた。国際便専用のその薄いピラピラの紙から懐かしい文字が眼に飛び込んできた。
「日本語!?」
咄嗟に叫んだその言葉すらイタリア語の私をチラリ、ジークフリートは見る。不安そうな心配そうな眼だ。
「誰からなの、コレ!?」
「読めば分かるって言ってたぞ。流暢な英語過ぎて良く分からなかったが、何か…ジェスチャーで」
私は再び視線を落とし、久々眼にする日本語を追った。
「…モジャ」
「モジャ?」
カサカサと折りたたみながらため息混じりに出たその言葉を鸚鵡返しされ私は無理に笑った。自分でも頬が引きつっているのが分かる。
「モジャモジャしてたでしょ、頭」
「ああ…」
ワイングラスを軽く振りながらフッと笑った。うん、モジャモジャしてた、頭。日本人か、アイツも?
「うん…。私の姉の友人なの…」
そう…。ジークフリートはそれだけ言うとワインを飲んだ。その横顔はもう何も語ることはないと言うようなスッキリした顔だった。
「どうしたいのかムラサキが選べば良い…おやすみ」
私の頭に軽く手を乗せて呟き、そして厨房を出て行くその大きな背中をボンヤリと見送って再び便箋を広げてみた。
『明日の午後3時にオマエが働いている店の裏手にあるバールで待ってる』
モジャモジャしたウザい見た目とは裏腹に、モジャの字は几帳面で整っている。使うペンもいつも極細の万年筆だ。名前は書かれていなくても私にはこれがあの毛玉からの手紙であることは一目で分かった。ため息をつきながら読み、ワインを飲みながら読み…。何度も何度もその一文を朝が来るまで私は読んでいた。
※イタリアには行った事がありませんが、やはり一度は行ってみたいなと…。円高の今こそ!世界へGO!と心底思うのですが…人生中々うまくいかないですな、いやはや…。ってか日本、大丈夫!?
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