2008'06.29.Sun
level.43
先日のこのブログで…
顎が筋肉痛と書きましたが、おたふく風邪ですた。
痛み止めも腫れ止めもちっとも効かず、でも「中々手ごわい筋肉痛DAZE」と必死に耐えておりましたが、食事もままならず、加えて除夜の鐘を延々&淡々と打ち鳴らしているような途方もない頭痛までしてきて、仕事に行くどころかベットから起き上がることすらままならず…
ホントにこのまま何かに変身するかと思った。
しかし。
食欲は旺盛で、普段はもう焼肉食べ放題なんて行きたくない、精進料理でもよかと言うお年頃なんですけど「肉を食わせろ~」と体は訴えるし、狭っ苦しくオマケに矢鱈と降り続く雨の湿度100%のこの部屋にいるのは本当に気が狂いそうだったので、予約していた金曜の歯医者でその鬱憤をイケメン先生にぶちまければ…
「スナさん、こりゃあ~おたふく風邪ですよ」
他人事みたいに言うな!
つうか、まさか歯医者から「おたふく風邪」を告げられるとは、この人生で一度だって想像しなかった…。
そして歯医者でおたふく風邪の薬を処方してもらうことも夢にも思わなかった…。
私の中の「おたふく風邪」と言うものは、
こぶ取り爺さんのようにホッペタがムギューと膨らんで、高熱にウンウンとうなされる…そんなイメージだったんですけど、
ものっそ食欲はあるし、胃腸も普段より快調だし、熱もまぁ…ちょっと微熱はあったけど筋肉痛の炎症だと思ったくらいだしで、ホントにまさか、おたふくさんとは…
大人のおたふく風邪はこういうもんらしいです。歯医者のイケメン先生のお言葉ですけど。
大人のおたふく風邪は酷いと聞いたこともあったのですけど、実際はこんなもんなのかと…病気ってムズイね。
なので。
未だにおたふく風邪とは信じてないんですけど、でもホントにおたふく風邪で、そんで他の人に移したら洒落にならんと思い、仕事はお休み中です、ハイ。でも途中で行ったし、もう手遅れのような気もするけどね。
「手ごわい筋肉痛だ!」とのたうち回っていた頃がピークだったらしく、殆ど自力でおたふく風邪を乗り切った自分に「生命って凄いな」と思ったり…わっははー。
しかしそれにしても。
今年に入って半年経とうとしてますけど、今年は矢鱈と体調にトラブルが発生してるので一度マジでお祓いに行って来ようかと思う。
こんなんじゃインドも危ういZE…。
おたふく風邪だと診断された後、母と電話を話をする機会があったので、その経緯の話もしたのですけど、
「成人男性がおたふく風邪なったら大変だって言うから…」
私にそんな豆知識を言われても「そうだね」って言う事しか出来ないんですけど。つうか、まず今、実際におたふく風邪中で、今、こうして話をしている己の娘の体調を心配する言葉をまず発して欲しい。
一般成人男性のおたふく風邪のことはどうでも良いから。
前の職場でも、そして何故か今の職場でも「おたふく風邪」についての話題が出たことがありますが、そんな時決まって年配の女性の方々のまず第一声は「成人男性が…」なんですけど、なんでそんなに成人男性の子孫繁栄の心配をするのか不思議でなりません。
そりゃま、おたふく風邪で人類滅亡とかヤだけど、「おたふく風邪=成人男性の~」はいかがなもんか?
「成人男性の~」のこのセリフが言いたいからおたふく風邪の話をしてんじゃないのってなくらいなイキオイです。
気を取り直して。
今回、TOPにご紹介しているDVDは「かもめ食堂」の監督でもある人の作品「めがね」です。
筋肉痛(と思っていたおたふく風邪)と戦っている最中、気を紛らわせるために久々DVDを借りに行ったんですけど、あまり刺激のあるのもよりと思い、これを借りますたが、途中で寝てますた…。
1週間レンタルして良かった…3回観てようやくちゃんと全部観れた。
でも面白かったんですよ、筋肉痛と思い込んでいたおたふく風邪でなければ思い切り入り込んでいたと思う。
ホントに「もたいまさこ」さんは素晴らしい女優さんだ。
今、話題の「マジック・アワー」の監督の奥さんもホント良い女優さんだ。
旅に出たいとまた思わせてくれる映画だった。黄昏しに行くのって良いね、ホント良いね。最高だよ。
私の考える旅ってのが、朝っぱらから夜まで、みっちりスケジュールの「観光」ってもんとは正反対のもので、例えば、
その土地土地の人々と同じローカル電車に乗ったり、スーパーで買い物したり、ブラブラ街を歩いたり、道端の花壇やらに腰掛けてジュースでも飲みながらボンヤリ道行く人を眺めたり…
そうやって少しずつ少しずつその知らない街が知っているものに変わってくるのを楽しむのが好きです。
ここの駅の傍にある売店のパンが美味しいとか、あの本屋は結構掘り出し物があるとか、この路地の先は実は開けてて、良い眺めになっているとか…
そしてそんな自分なりの地図が出来上がって行くと共に「あ、こんにちわ~」とか「どうも~」とか売店やお店とかで顔見知りも増えて行くのが面白いなと。
ドイツで何日間かフリーパスのチケを買ったのもあって毎日行った美術館で、凄くごつくて強面の警備のオッサンたちに3日目からは些細な日常会話を向こうからしてくれるようになったのが凄く嬉しかったのを覚えている。
「毎日何をそんなに見ているんだ?」と言われ「レンブランド」と答えると「俺も好きだ」とか、
「今日は奥で絵画の修復作業をしていてそれを見るのも面白いぜ」とか、
「ここに住んでるのか?」と言われ「旅行中」と言えば「毎日飽きもせずここに来るから美術か何かの学生かと思った」と眼を丸くしたり、
「旅行で来たのならベルリンの壁は見たか?」とか「蚤の市には行ったか?」とか…
まぁ、アジア丸出しのチビッコが毎日1人でネズミのようにチョロチョロ館内をうろついていれば、浮いていたのだろうけど、でも挨拶は勿論、強面のデッカイ見上げるような警備のオッサンがニコニコフレンドリーに話しかけてくるってのは日本じゃ中々考えられない気がする。
でも凄く嬉しかった。
明日はベルリンを発つので今日で最後だと伝えたら、「また絶対おいで」と手を振ってくれた。
人は。
あまりにもそれが当たり前になり過ぎると反対に大切なことをドンドン零して行く気がする。
私が今、住んでいる街にも美術館はいくつもある。でも実際に行ったのはほんの数回しかない。
いつでも行ける。そう思ってる。
別に用もないのに美術館に行かないといけないとは思わないけど、それが「旅行先の美術館」となると、用もないのに通ってしまう自分は面白いと思う。
自分は此処の人間ではない。
そういった客観的な立場から見る「日常」が凄く好きです。自分の居るべき場所のこともまた客観的に考えることが出来るから。
春になったら小さなプロペラ機に乗ってやってきて、朝は砂浜で皆で体操をして、昼はノンビリとカキ氷屋をして…何だか昔からずっと此処にいるオバサンみたいに馴染んでいるけど、春が過ぎればアッサリいなくなる。
でもまた春が来ればやってくる。
そんなもたいまさこさんがとても素敵ですた。あ、「めがね」の感想です、コレ。
あっちゃこっちゃ話がズレてすんません。久々書いたらまとめきれなくなった。
これも流行性耳下腺炎のせいです(言い切っちゃったよ)
この会社に入社して、初めて大きな仕事の指揮を任されて。
何だか良く分からないまま、でも死ぬ物狂いに必死にやり遂げた結果がこれだ。
俺は街角一杯にズラリ貼られたポスターの前に突っ立っていた。妙に日本人離れした若くて美人の女性モデルが誘惑するようなポーズでこっちを見ている。しかしこうも沢山並んでいると反対に気持ち悪いなっつか、このモデルって日本人?ってか誰?なんぞボンヤリ考えていた。自分で勝ち取ったハズなのに、何だかとてもよそよそしく他人事のように見える。
「あの時は本当に嬉しかったハズなんだけどな~」
上司にも褒められたし、俺が率いていたこのチームには特別手当も支給された。商品も順調に売れているしポスターだってこんなにも大きい。しかし今こうして突っ立っている俺は、やり遂げた達成感や充実感と言うものよりも、何だか凄く空虚でむなしかった。ああ、終わったんだ…と言う喪失感が大きかった。
「タローさん?」
首を傾げてヌボ~と突っ立っていた俺は、懐かしい声と懐かしい呼び名が聞こえ反射的に振り返る。が、連想していた姿は何処にもなく俺の目線は宙を彷徨う。
「あ、やっぱタローさんだってか何処探してんの?」
俺は声のした方向に視線を送る。一人の女子高校生が俺を見ていた。衣替えしたばかりの白いシャツが初夏の日差しに反射してとても眩しい。洗剤のCMみたいだとバカなことを思った。
「え…?」
絶句した俺に女子高校生はニコニコしながら傍により、俺の隣に立つとポスターを見た。
「タローさん、こーゆー女性がタイプなんだ。結構面食いだったんだね」
「つうか、え、オマエ…ハルタ?!」
「久しぶり、タローさん。全然お店に来ないから店長も、キザサワも寂しがっていたよ。勿論アタシも」
俺は凄く間抜けな顔をしていたと思う。そしてその間抜けな表情の裏では物凄い勢いで頭が回転していた。
確かに男にしては細っこいと思った。確かに男にしては声のトーンが軽いと思った。確かに男にしては可愛らしい顔立ちをしていると思った。でもこれはないだろ!?つうか、え、アタシ?そう言えばハルタは自分のこと何て言ってたっけ?店では聞いたことがなかった…?つうか思い込んでて気付かなかっただけか?
「あ、もしかしてタローさん、アタシのこと男だと思ってた?!」
「あ、はい…」
素直に思わず声に出して言うと、ハルタは少し顔を曇らせた。そのちょっと眉を寄せてムッツリ口をつぐんだ顔は確かにハルタだ。
「ま、良く間違えられるから別に良いんだけど、久々会ったってのにその反応はちょっとムカつく」
「あ…すまん。いや、そのホント、ビックリしちゃって…」
俺は我に返ると頭をボリボリ掻いてしどろもどろに答える。ハルタは自分の細くて白い腕に巻きつけてある腕時計を見ると言った。
「タローさん、時間あります?この近くにね、美味しい手作りケーキのお店があるんだよって言ってもムラサキには負けるけど…あ、店長ね」
「…はぁ」
丁度仕事も一区切りついて社に戻る途中だったし、ハルタに完全に飲まれていた俺は言われるがままその女子高生の後について行った。よくもまあ取り押さえられなかったものだと思う。
ハルタの後をノコノコついて行ったその店は、細い路地を入ったちょっと分かりにくい場所にあったが、店の中は地元の女子高校生で賑わっていた。リーマンにはリーマンの、女子高校生には女子高校生の「社交場」と言うものがちゃんと存在するんだよなと改めて認識する。自分とは違う制服の子らに親しげに挨拶をしているハルタを見ながら俺は思った。やっぱコイツ女子高校生なんだ…。
「オススメはコレ」
席につきハルタに言われるがまま、俺はオーダーを伝える。待っている間、手持ち無沙汰で俺はテーブルの隅に置かれた灰皿を手繰り寄せタバコに火をつけた。気持ち心が落ち着き、ようやく余裕が出てきた俺はチラリとハルタを見た。ハルタは今時の高校生のように携帯を慣れた手つきで操作し、メールを打っているようだったが、ストラップ1つ付いていない無機質なその白い携帯は何だかハルタらしいなと意味もなく思った。
「ムラサキにね、メール。ちょっと遅れるからちゃんと働けって」
俺の視線を感じたのか、俯いたまま携帯を操作しながらハルタが言う。
「アイツ、ちょっと油断するとスグにサボるから…」
パタンと携帯を閉じるとハルタは顔を上げた。上目遣いなその視線に一瞬たじろぐ。
「あの店って…。店長とハルタだけでやってんの?」
「ううん、まさか。昼間にね、代わる代わるムラサキの友達が仕込みの手伝いに来てくれてるんだ。でもま、ああ見えてアイツ結構要領良いし、それに出す料理って適当だからね~」
「はぁ…」
ケーキとコーヒーが運ばれてきて俺はタバコを灰皿に押し付ける。その間にハルタは眼を輝かせてケーキに飛びついていた。こうして見るとホント普通の女子高生なんだよな。
「うん、美味しい。でもやっぱりムラサキの焼くケーキが一番だな、うん」
「ムラサキムラサキって…その、店長の名前?」
俺はコーヒーカップを持ち上げながら聞く。
「うん。うちの家系って何故か皆、色の名前なんだよね。ちなみにムラサキの姉ちゃんの名前がクレナイでムラサキのお母さんがミドリ。ちなみにアタシはハク」
「ってか、え?姉妹なの、店長と」
きょとんとした俺の声に、ハルタはポカンとした顔をする。
「え、知らなかったの?ムラサキは叔母さんだよ。アタシはムラサキの姉ちゃんの娘」
「あ、そうなんだ…」
どうりで馴染みが古そうだと思った訳だ。
「本当はあの店…。私のお母さんが継ぐことになってたんだ。でも料理のセンスも店の経営に関してもムラサキの方が才能があった…あ、これ全部お祖父ちゃんからの受け売りなんだけどね」
アイスティーにドバドバとシロップやらミルクやらを注ぎ、ストローでグルグルかきまぜながらポツリポツリとハルタは話す。
「だから今、こうしてムラサキが何とかあの店で何とかムラサキの料理を出せて、何とか1人でも多くのお客さんにムラサキの作った料理を食べて貰えている今の状態は、とてもベストな状態だと思うし、お祖父ちゃんもそしてお母さんも満足していると思うし、それに…最後まで反対していたお婆ちゃんもきっと許してくれていると思う」
あの店のウチワの事情なんて微塵も知らなかったし、色々聞こうとも思わなかったが、淡々と話すハルタの声に俺は黙って聞くことしか出来なかった。
「ムラサキは多分…。今もそしてこれからもずっと自分を責め続けるだろうけど、それでもあの店で何とか黙ってこうして料理を作っているのは、自分の料理を進んで食べに来てくれる人がいるってこともちゃんと分かってるからだと思うんだ」
そこでハルタは俺を真っ直ぐ見て言った。
「だからタローさんも気が向いたらいつでもムラサキの料理、食べに来てやってくださいね」
何がどう…あったのかなんて何1つ知らないし分からないけど、唯1つ。
確かに店長の料理は美味しかった。何が出てくるのか分からない、そんな料理店なんて有り得ないと思う。しかし客の期待を裏切らないと言うか、むしろ「何を食べさせてくれるのか?」と言うワクワクした不思議な期待があった。あの華奢な女店長の料理は。
「それに…っ」
ハルタが不意に、少し声に力を入れたので俺は顔を上げる。ハルタはニッコリ笑った。
「みんなタローさんのこと待ってますから。あ、でも決して無理はしないでくださいね?あの店はホント、みんな勝手に楽しんで勝手に元気になって、そしてまた勝手にそれぞれの場所で頑張るって店だから。キザサワなんてホント良い例。アイツ本当に自分ちと思ってるから。ムラサキもガツンと言えば良いのに好きにさせてるからな、もう~」
本気でプリプリしながらハルタはケーキをムシャムシャ食べていた。その仕草が何だか可愛らしくて俺は思わず眼を細める。
「そう言えばタローさんはお仕事の途中?」
「ああ、でももう社に戻ってちょっと雑務をしたら今日は終わり」
サラリと流す俺にハルタは、ふぅんと大して興味もなさそうに答える。
「タローさんの仕事って一体何?あ、別に答えたくなかったら良いよ」
同じくサラリと聞くハルタに俺は一瞬どきりとする。ん?何でどきりとするんだ?別にやましい仕事ではない。それよりもむしろ威張っても良い筈だ。
「さっき貼ってあったポスターの商品、俺の会社の製品。ちなみにあの製品は俺の一番の担当。俺、あの会社の営業やってんだ」
「へぇ、そうなんだ。凄いね、タローさん」
素直にハルタは驚いてくれたが、それでも俺は心底喜べなかった。何故…だ?
ハルタはチラリ腕時計を見ると鞄を持って立ち上がる。
「そろそろ行くね。夜を開ける時間だし、お手伝い帰っちゃう頃だしキザサワは来る頃だし…」
「ハルタ…!」
伝票を掴もうとしたその細い手首を俺は思わず握っていた。
「あ、いや、その~。ここは俺が払うから」
ハルタはニッと笑うと伝票をテーブルに置いた。
「ごちそうさま、タローさん」
「それからその~、何だ。出来たら今日、俺に会ったことは店長達には内緒にしてて…」
「分かってますって!」
俺の言葉を遮ってハルタはハッキリと言う。
「それじゃ、タローさん。またね」
少し駆け足で去っていくハルタのスラリとした背中をボンヤリ窓越しに見ながら俺は冷めたコーヒーを啜った。
自分より10くらい年下の女子高校生に、まんまと騙されそして丸め込まれたような、何とも情けない気持ちもあったが、久々本当に「気まぐれ」が食べたいと思った。
大きな仕事を勝ち取った今の自分の、この何とも寂しい空虚な疲れを取り除いてくれるのは、あの店なんじゃないかとふと頭をよぎる。
確かにここのケーキも美味しかった。しかし、モジャの送別会の時に皆で食べたあの生クリームのイチゴケーキのことを俺は何故か考えていた。
※「紫」と書いて「ユカリ」と読む子がいて可愛いなと。
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