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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'05.21.Tue
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2008'10.23.Thu



level.45


結構前に。
届いてたんですけど、ドタバタで中々日の目を見ることが出来ずにいた萩焼。

つうか。
2~3ヶ月はかかります。と言ってたのに、実際は2~3週間かい!と…。

まぁ、別にいいんだけども。


こんばんわ、スナです。相変わらずアップアップの日々です。
昨夜は。
職場のチームの中の「ヤングチーム」に所属する子らと、まさに弾けてますた。

ここ1番ってくらい、朝から大きな爆弾がドッカンドッカンだった私にヤングらは、

「呑まないとやってらんないでしょ!?」

と次から次にあらゆるジャンルを勧めて来るもんだから、ヤングでもアダルトでもない、敢えて言うならば、ミディアム?に属する身として、上からも(同じミディアム属が居た!)下からも断れず、「コレってアルコールってのは分かるけど、でも何?」ってなるくらいアルコール的な何かを呑まされておりますた。

ハッハハ…はぁ~。


ごめん、ディジィ~。ある意味凄いテンションで電話して…。メール打つには…限界だった、吐きそうだった。


でも。
久々だった。こんなに大勢で気兼ねなく大笑いしながら限界超えてまで呑んだのは。


私はお酒が全く強くないので好きではないのですが、居酒屋のあの雰囲気は凄く好きです。

何故かしらテンションが自然と上がります。形式の忘新年会や、歓送迎会で、面倒だなあと思っていても、店に入れば何だかソワソワしてくる。

不思議ですよね、居酒屋って。


周知で。
自然と私が異動になることが皆に伝わっていたので、寂しいとか、自分も頑張るから頑張って!とか、呑み会は絶対に来てくださいとか…若者どもは恥ずかしげもなく無邪気に堂々とそんなことを言ってくれちゃって…。

でも。
素直に私も嬉しかった。


前職で。
職場には心をリラックスして話が出来る人が1人もいなかった。小さな支店で、同性の同い年くらいの人がいないってのもあったけど、まぁ、それはそれで慣れてしまえば、ある意味凄い楽だった。

淡白に淡々と生きる。淡々と仕事をこなす。それって凄い効率的。

でもこの職場のこのチームに配属されて…
私は変わってしまっていたことに気付いた。


「人」は。

「人」で変わります。



これこそ、この世に確かに存在する「奇跡」の1つだと思う。

「人」は誰でも「奇跡」を起こすことが出来るのです。




言葉の通じない世界をたった1人で歩いて知ったんですけど、

人はなんと「心」を持ったイキモノなんだろうと。


言葉が通じなくても、必死に向き合えばそれなりにお互い通じるもんなんです。

でもそれは、お互いが相手に伝えたい、そして相手のことを理解したいと切実に思う「歩み寄り」と言う条件が必須です。

一方通行では決して叶わない。

私が特に悩まなくても使えるこの日本に戻ってから、その思いは弱まるどころか、一層強くなりました。


元々…。
以前も何度も書いているかも知れませんが、口でどうこう何か解決するってのが本当に苦手なので、元々から言葉ではない方法で自分を表現して相手に伝えたいって言うことの方が多かったし、ゴチャゴチャと一生懸命捲くし立てられても納得するどころか反対に苛々してしまうタチではあったのですが、「感じる」ってのが以前よりも敏感になってしまったのか、

どんなに素敵な言葉を100並べられても、

たった1つの笑顔で私も笑える。

たった1つの涙で私も悲しくなる。



大人になればなるほど。

カタチに嵌った「形式」が重要になってきます。その形式こそが「一般的に通用するもの」であるのだから。

「約束ね!」と思い切り振り切った「指きりげんまん」じゃなくて、

「ハンコ」や「覚書」とか言うアイテムがないと成立しません。



でも。

それらアイテム1つ1つを使いこなせるようになればなるほど、「心」は鈍くなってゆく。

自分の「心」だけでなく、相手の「心」を感じ取ることも鈍くなってゆく。


そして面白いことに。
そうやって鈍感になった無神経人間には、同じ無神経人間が集まる。


彼氏と電話でケンカして、一方的にブチリと切られてヘコんでいた女の子に、

「会いにいけば良いじゃない?」

と思わず言ってしまったことがあります。


向こうは仕事中だし、絶対迷惑がられるし…そう言っていました。確かにそうだ。それは常識的な判断だと思う。

でも。

行ってみないと分からない。今の時代の必須アイテムの電話もメールも役に立たない、でもどうにかしたい。

それならば自分が動けば良い。門前払いされる可能性100%ならば受付でも同僚の人にでも、手紙でも言付けでも頼めば良い。自分がこんなにも話がしたいんだと言う意思表示をするのが大切なんじゃないかなと思うのですが…。

ただ…。
「歩み寄り」を絶対に念頭に置かないと、体は動いても「心」は動かないし、ただのウザイ&キモイ人になってしまいますけどね。一歩間違えばストーカーですからね、コレ。



単なる「稼ぎ」でしか考えていなかったこの仕事。

淡々と…「心」を凍りつかせてやりこなす自信があった。ってか、そのつもりだった。

でも。いつの間にか私は、この、夢中で必死に駆け抜けている若い同じ職場で働く彼らによって、

凍るはずの心が、完全に解かされていたんだと心底実感しました。


別に何か特別なことがあったってワケでもなく、素晴らしい言葉を言い合ったってワケでもなく、

ただ単に、毎日一緒に働き、そしてこうしてたまにガバガバ呑んで笑ってきただけなのに…。


人間って本当に厄介で複雑怪奇で、でも、

凄く面白いイキモノだなと思います。


つうかさ、

萩焼の湯のみについて語りたかったんですけどね。











学校はいつもと何も変わらない放課後だった。ただ、美術準備室のドアの向こうで待っていたのはハルタのクラスの担任でもあるマツモトの、心配そうな顔だった。
「オマエがハルタの担任で助かったよ」
何気に言う俺を、突然物凄い勢いでマツモトは殴った。不意打ちを食らい椅子やキャンバスと一緒に床へ転がる。グラグラする頭で何とか腕を動かし口元を拭うと、赤いものが白衣の袖に付いた。好みの濁った赤だなと馬鹿なことを思う。しかし、一体何が起こったのかサッパリ分からないのだ。マツモトは転がっている俺の前でしゃがみ込み、
「何やってんだ、オマエ?!」
と、情けない顔で覗き込んだ。泣きたいのは殴られた俺の方なんですけど。
「人の授業にいきなり押しかけて来たかと思えば、自分の授業を押し付けて?ハクを連れてどっか行っていたのか!?ハクを何処にやった!?」
喋ろうにも一方的に捲くし立てる上に、胸ぐらを掴まれているので苦しくて声が出ない。どうにか右手でマツモトの腕を掴むと、ハッとしたようにマツモトは俺から手を離す。お陰で椅子の足に後頭部をぶつけた。踏んだり蹴ったりだ。
「何やってんの!?」
俺が声を発する前に、ハルタの金切り声が響く。ドアの近くに立っていたハルタは俺とマツモトの間に滑り込んだ。
「ごめんなさい、マツモト先生。全部アタシのせいなんだよ」
泣きじゃくるハルタをマツモトはボンヤリ見ていた。どこからそんなに涙が出てくるんだと思うくらい、今日のハルタは泣いてばかりだ。いつもムラサキには勿論、俺にも男子生徒たちにもギャアギャアと立てついて来る、そんな元気一杯なハルタの姿しか知らない。
しかしそれもこれも全て…ムラサキがコイツの傍にいるってことが全てだったんじゃないのかとふと思った。
「…親代わりをしているコイツの叔母がさ、家出しちまったんだよ…」
ハルタの代わりに俺がボソボソと話す。
「その叔母さん、こいつにとっては勿論だが、俺にとっても大切な人間なんだ。だから…その、すまん!俺も動揺してた。教師失格だな…」
マツモトは暫く俺とハルタを見つめていたが、
「それでその叔母さんは見つかったのか?」
と少し躊躇いがちに言った。
「いや…。まだだ。一応今、手は打ってある。だが見つかって無事にそいつが帰って来るまでハルタのことは俺に任せて貰えないか?」
まさか自分がこんなセリフを発するなんて、今までの人生でも、そしてこの教職に就いてこれまでも一度も思ったことも無かった。それにここは担任に任せるべきだ。しかもこの学校一と言っても過言ではないほど頼りになるマツモトが担任だ、でも…。
「ハクの家庭が複雑なのは俺も知ってはいるがしかし…」
マツモトは顎に手を当てながらボソボソ呟く。
「明日1日だけでもせめて時間をくれないか?」
マツモトは困ったように頭を掻いていたが、やがて大きくため息をつくと、
「ハクは明日、欠席だな。キザサワ、オマエはオマエの仕事をちゃんと片付けてから休みを取るんなら取れよ。俺は美術なんてサッパリだ」
俺の腕を取って立ち上がった。


何かの時にと渡されていたスペアキーを回してハルタがドアを引く。カランコロンといつもと変わらない鐘の音がするも、店の中は暗くシンと静まり返っている。1日閉めきられていたのに何故かひんやりした。
「初めて使ったよ、この鍵」
ハルタは窓を開けながら着替えてくると言い、そのまま店の奥に消えた。
俺は勝手にキッチンの冷蔵庫からギネスの缶を取り出すとその場で栓を開け飲んだ。アルコールの類は滅多に飲まない。1人で飲んでも美味くないからだ。白衣のポケットから携帯電話を取り出して見るが、タローからの連絡も何の着信もなかった。
箪笥のような業務用の冷蔵庫に寄りかかり、そのままズルズルとしゃがみ込む。いつもいつもムラサキはここで1人、何を見て何を考え、時を過ごしているのだろう。目の前のシンクに、立て膝をついて座り込んでいる情けない男の姿が反射していた。とてもとても綺麗に丁寧にここのキッチンは手入れをされている。何だか可笑しくなって、ひっそりと1人で笑っていた。
「んなとこで何やってんの?怖いんですけど」
顔を上げて声のした方を見れば、ハルタが顔を引きつらせてこっちを見ていた。
「何だオマエ。着替えって風呂のことを言うのかオマエんちは?」
ショートカットの髪から雫がポタポタ落ちていた。
「シャワーを浴びただけだよ。今日は一杯汗をかいたから…」
「俺の方がどんだけ汗を流したと思ってんだよ」
肩に掛けていたタオルでワシャワシャ頭を拭きながらハルタは店内へ歩いていく。俺も腰を上げ、カウンターのスツールに腰掛けた。
「タローさんから連絡、あった?」
躊躇いがちな問いに俺は頭を振る。一気に空けた缶をカウンターテーブルに置き、煙草に火をつけた。
「そう…」
ハルタはそれだけ言うと『本日定休日』と書かれた紙をドアに貼り付けるため外に出て行く。俺はずっと迷っていたが、ハルタの姿が見えなくなると、カウンターの中に手を伸ばしそこにあった黒電話を掴むと、財布から1枚の紙切れを取り出しダイヤルを回した。
『どうした!?』
やたら遠いコール音がしたかと思えば、ウザイ声が俺の耳に響く。しかも開口一番がこのセリフだ。
「…モジャか?俺だ、キシザワだ」
『はぇ~!?』
「とにかく、今から言う携帯の番号に折り返しかけてくれないか?」
『はにゃ~!?』
アホな返答は無視して俺は一方的に自分の携帯番号を伝え、そのままガシャンと受話器を置くと電話を元の場所へ戻した。その瞬間にカランコロンと店のドアが開く。
「もうすぐ夜なのに暑いね~」
ハルタは開けていた窓を今度は閉めながらピッとエアコンのスイッチを入れた。
「夕飯、どうしようか?軽くなら何か作れるよ」
ハルタの言葉に俺は調理をお願いする。ハルタは頷くと再び店の奥に消えた。
「もしもし…」
俺は声を潜めて電話に出る。
『何じゃよ~。掛けろって言いながら中々出んのじゃけ~』
「緊急事態だ。今日、ムラサキがいなくなった」
拗ねたようなモジャの言葉を無視して喋る。
『は、い?』
「昨夜、ムラサキがポツリ言った言葉がある。携帯の通じない南の島の夕日を見たことがあるかって。それで今、その島にタローのヤツを行かせているがまだ何も連絡がない。他にムラサキが行きそうな場所って分かるか?」
『…キッシー、落ち着かんか。幾らワシの頭が良いと言っても唐突過ぎるぜよ』
「あ、すまん…」
少し沈黙の間が出来た。ザワザワとした喧騒が聞こえる。ふと、つい今しがた俺は気づいて思わず店の振り子時計を見た。夜の7時前…。向こうは朝の7時前…か?
「あ、すまん。時差を考えていなかった。早朝だろうそっちは?」
改めて俺が謝罪の言葉をぎこちなく言えば、
『徹夜で仕事じゃったき、別に気にせんでええで。丁度朝飯ば食べに会社の外出たとこじゃけん』
あっさりと言われ俺は謝ったことを悔いた。
『ムラサキは…』
さっきとはうって変わって低い真剣な声がし、俺は携帯を持ち直す。
『夕日の話をしたんじゃな?』
「ああ、そうだ。今時携帯電話が繋がらない島は1つしかなかった。その島にタローを今やってるが、連絡がないんだ」
『…おそらく大丈夫じゃ、間違ってはおらん。ただ、ムラサキが望んでいる夕日が見られる場所は市街地ではなく、村じゃ』
モジャのシッカリとした声に俺は思わず叫ぶ。
「何で分かるんだ?!」
『10年ほど前、同じことがあった。一緒に夕日を見た。凄かったぞい』
その村の名前や場所の詳細が今は分からないと言うので、俺は一旦電話を切った。タローとモジャからの連絡待ち…。手の中にある自分の携帯電話をジッと見つめる。待つことしか俺は出来ないのか?
「携帯なんて何で発明されたんだろう?」
以前、ムラサキが突発的に話し出した事を思い出す。
「そりゃあ、どうしても会えない事情がある人や、急を要する人には凄く画期的な発明よ。でも、怖くない?」
俺はムラサキが何に脅えているのかサッパリ分からなかった。
「私は、ちゃんと眼を見て話をしたいの。そして相手もそうであって欲しいの」
2年以上も。
ムラサキは世界中を1人、彷徨っていた。ハルタが言うには「自分の居場所を求めて」と言う事だが、そのムラサキを必死に常に追いかけ探していたのは、ハルタでもムラサキの実の両親でも兄弟でもなくただ、他人のモジャ1人だった。
カウンターに肘をついて頭を抱え込む。クリスマスにも同じようにここで泣いていた自分をクッキリと思い出し苦笑した。
俺はいつもいつもそうだった。自分からは手を伸ばさない。足を踏み出さない。眼を背け頭を抱え耳を塞ぐことしか出来ない。
母親が、家を出て行った時もそうだ。小中学校は、常に1人だった。
高校でも同じ。そしてこれから先ずっと死ぬまでそうだと思って疑わなかった。死ぬときも1人だ…。それで良いとも思った。
楽だから。抱えるものがないのは楽だ。不安がないから。手にしたモノは、必ずいつか別れが来る。失うモノがなければ不安もない。
「何だか…キシザワ君じゃないみたい」
大学生の頃、携帯電話から聞こえるカナコ先生の声はそんなことを言った。何を言っているのだろうとその時は笑って流したが、今思えばあの時の俺は、生まれて初めて自分を認めて貰えたことに有頂天になっていた。
様々な街からやって来た、自分と同じような志を持つ同じ年頃の人間が、俺の描く絵を見て驚愕した。教授や助教授達の間でも評判だった。学内中が俺を見ていた。
「ちゃんと眼を見て話がしたいの」
ああ、そうだなムラサキ。ちゃんと眼を見て話をしないとな。
料理の良い匂いで俺は我に返る。
「パスタ。ムラサキがこの前まとめて作っていた麺が冷凍庫にあった」
ハルタがボソボソと言いながら俺の前にコトリとパスタ皿を置く。ミートソースだった。
「ソース…結構難しいのよね。この前家庭科の調理実習で作ったのがまさか役に立つなんて思わなかったよ」
テキパキとセッティングをし、隣のスツールに腰掛けると器用に食べ出した。
「あんまり…美味しくない。ごめん…」
そう言うとサラダをムシャムシャ食べだした。俺は1口、パスタを食べた。確かにムラサキの腕に比べれば月とスッポンだ。料理が出来ないのなら市販のものでも使えば良かろうにと思うが、ムラサキのキッチンにそんなものがあるワケがない。必死で作ったハルタの姿を想像しながら俺はもう1口食べた。サラダボールを抱えたままハルタは俺を見ている。
「何だ?」
「無理しなくて良いのに…。サラダならいけるよ?ドレッシング、ムラサキが作り置きしてたヤツだし…」
俺は言葉を遮ってハルタの頭をポンポンと叩いた。
「ムラサキが言っていた。料理は食べてくれる人のことを一生懸命考えられるから好きだと」
ハルタはジッと俺を見ている。クルクルとフォークにパスタを絡めながら俺は続ける。
「同じ料理でも心を込めて作ったものとそうじゃないものとでは全く違う料理になる。味じゃないんだとよ」
ムシャムシャ咀嚼しながら俺はハルタを見た。
「美味いよ、このミートソースのパスタ。ある意味、ムラサキには作れないしな、コレは」
ハルタは怒ったような、むすくれたような、でも目は笑っていて落ち着かない様子でバリバリと豪快にサラダを食べだした。
その時、カウンターに置いていた俺の携帯のバイブが鳴った。
タローからだった。


※未だに読みたい本が見つかりません。

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