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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'11.01.Fri
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2008'10.26.Sun



level.45


何か…忙しい。ってか多分、動きが遅いからだ、コレ。

こんばんわ、スナです。まだ今日中にやらないといけないこと5つくらいあるんですけど~あと1時間くらいで今日も終わりですけど~。


なんてこつ!



とりあえず。

今年も行われたのでUP。球根祭。ワッショイ!


※説明しよう。球根祭とは、スナ家で行われている祭なのだ(説明になってねー!)

とりあえず。

春咲き球根を植えればOK!そすて。私は色々ごちゃごちゃ考えるのは面倒なので毎年ちゅ~りっぷ(しかもシンプルな一重咲き)を植えてます。

しかも3つだけ。これで十分。ホントは1つでも良いんですけどそれはやっぱりちょっと…寂しいかなと。


この祭をするのは…単に祭好きってワケではなくて(つうか、祭でも何でもない)、冬が個人的にめっさ苦手だからです。


寒いのは特に嫌いでもないし、イルミネーションやらで綺麗な街並みや年末年始の妙な活気は楽しい。

でも。どうしても辛いことがある時は冬が多かったので…。


この。
春咲き球根が花開いたとき、ようやくなんだかホッと出来る。あ、終わったんだと。


そんな祭ってか儀式みたいな感じなんす。



でもね。
お子さんがいらっしゃる方とか、一緒に植えてみても楽しいと思いますYO★

それにまぁ、花開くとき、本当に嬉しいから。別に冬が終わったとか春が来たとか、そんなん抜きにしても、ああ、こいつ等も生きてるんだなあ!と。


ちなみに。
我が家の球根祭に登場するチューリップ御三方は近藤さん、土方君、沖田と言う名前がもれなく付きます。

「お!?近藤さん、やっぱオマエサンが一番乗りで芽を出しましたか~!」

隣近所の皆さん、ごめんなさい。



早く御三方の開花を見たいけど、まぁ、待つ楽しみがあってこそなので…。

一緒に頑張って冬を乗り切るぜよ!








タローからの電話を切り、食事も終えた俺は窓際のテーブル席に座って外を見ながらコーヒーを飲んでいた。意外にも不器用なハルタの代わりに自分で淹れた。ハルタは隣のテーブル席で宿題をやっている。
「英語は得意なんだけど、数学がね~」
教科書を睨みつけながら頭をシャープペンで掻き毟っている姿を見れば苦心しているのが分かる。
「ふぅん、オマエ英語が得意なんだ。初耳だなってか、別にオマエの偏差値なんて微塵も興味ないが…あ、でもとりあえずちゃんと3年で卒業はしろよ?」
オイ!とハルタは叫ぶ。俺は無視してコーヒーを啜りながら携帯を見た。モジャからはまだ連絡がない…。
「ムラサキがね…」
不意にハルタが話し出す。顔はテーブルの上に広げられた参考書を向いたままだ。
「帰って来たばかりの頃、うまく日本語が通じなくてね~。全然日本人がいないマイナーな場所ばかりずっと回っていたから頭の切り替えが出来ないんだって。一緒に帰って来たモジャともずっと英語でやり取りしてたみたいだし、実際、暫くはモジャが私とムラサキの通訳してたんだ」
んなことってあんのか?俺は思わずコーヒーを噴出しそうになりながらも何とか堪えた。
「まだアタシは小学生で、英語なんて生まれて初めて聞く言葉でさ、でも何とかしてムラサキと話がしたくて…必死で勉強した。モジャに先生やって貰ってさ」
ムラサキがこの家に帰って来たとき、待っていたのはハルタ1人だったと言う。ハルタの両親もムラサキの両親も亡くなった後だったから。
「だから英語は結構好きなんだけど、数学がね~。ああ、もう!ちょっと休憩!!」
ハルタはシャープペンを放り投げると椅子にダラリともたれた。
どうして人は。
この場にいない人のことをこんなにも思うのだろう。いつもいつもあんなにも顔を合わせていた時には何1つ、その人のことは何も思わないのに、いないとどうしてこんなにも考えるのだろう…。
ただ宿題をしている、苦手の数学の問題を解いているだけだと思い込んでいるハルタは気付いていない。
ハルタ自身が今、必死にムラサキを追っていると言うことを。
「ちょっとネットを使いたいんだが…」
俺の言葉にハルタはダラリとした姿勢のまま答える。
「あ~。確かムラサキのノートパソコンが無線対応で、たまにカウンターで使ってるな」
頭をボリボリ掻きながら立ち上がるとハルタは言った。
「パソコン、持ってってなかったら貸してあげる。ちょっと待ってて」
そのままくるりと自宅の方へ向かおうとしたが、眼を見開くと俺を凝視した。
「な、何だよ…?!」
俺はコーヒーカップをテーブルに置くと身構える。凝視したままツカツカと俺の傍まで来ると、いきなり俺の左腕を掴んだ。
「痛っ!」
ハルタが掴んだ場所を見ると、真っ青に腫れていた。
「何、コレ!?」
先ほどまでシャツの袖はキッチリとカフスボタンで留められていたが、コーヒーを淹れる時に無造作に捲くってそのままにしていたのだ。しかしハルタに掴まれるまで気付かないとは俺もいい加減疲れているのかも知れない。
「マツモト先生に殴られた時!?」
「あ、いや…多分な、学校の階段から転げ落ちた時だ」
「はぁ!?転げ落ちた!?」
素っ頓狂な声でハルタは叫ぶ。
「誰のせいだと思ってんだよ?オマエがだな、いきなりいなくなるもんだから…」
ハルタは一瞬息を詰まらせる。
「…別に気にするな。こうしてちゃんとオマエはここにいるんだからよ」
ハルタはいつものへの字口をすると、キッチンの奥へとバタバタ駆け足で入っていった。すぐに戻ってくると大きな救急箱をドカリとテーブルに置くと椅子を引きずって真ん前に座った。
「何やってんだ?」
「手当て!」
乱暴に腕を引っ張られ俺は思わず顔を顰める。
「良いって。自分で出来るからってか自分でやらせてください、お願いします」
ペタリと大きな湿布を貼られ、グルグルと包帯が巻かれる。細くて長い指をしているくせに有り得ない程不器用だ。利き腕でない手だけで自分で手当てをする方が余程うまく包帯が巻けそうだと思う。
「はい」
最後にパチンと包帯止めを何とか止めるとハルタはホッと息をついた。その仕草に文句の1つも言えなくなってしまう。
「ありがとよ…」
「お礼を言われるほどちゃんと手当て出来てないと自分でも分かっているし、それに私のせいで怪我しちゃったんだし…」
救急箱を持ち上げると今度こそ自宅からムラサキのパソコンを取りに行こうとしたハルタの腕を思わず掴んでいた。驚いた顔でハルタが振り向き俺を見る。
「あ、いや、その…。手を上げてすまなかったな…」
ハルタは一瞬、怪訝な顔をしたが次の瞬間はハッとした表情をし、そして気まずそうな、でも穏やかな…ムラサキに良く似た顔をした。
「私が必死だったのと同じように、キザサワも必死だっただけなんだよね。アタシこそワガママ言ってごめんね」
早口でそれだけ言い捨てると、今度こそ踵を返してムラサキのパソコンを取りに行った。
俺はその後姿を見ながらため息をつく。モジャからはまだ連絡がない。

起動させたムラサキのパソコンのデスクトップに、古ぼけた1枚の家族写真が映し出さる。
「あ、懐かしいな、コレ」
一緒に覗き込んでいたハルタが呟く。
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃん。この小さな子供がアタシで、その傍にしゃがんでいるのがアタシのお母さん」
「…ムラサキは?」
思わず言った俺をハルタはチラリ見て、再びデスクトップに視線を移した。
「この写真を撮っている人の隣にいる…。ちなみにこの写真を撮ったのはモジャ」
どんだけ昔から関わってんだよ!?そういや電話はどうした!?俺は何故かモジャにムッとしながら同じくデスクトップを見た。
「何でモジャの横にいるんだよ?家族写真だろコレ?」
「…どこに映れば良いのか分からないって言ってたってモジャに聞いた」
昨夜まで。
ココで当たり前に一緒に話をしていた。確かに一緒にいた。ムラサキがこの店にいるのが当然だった。何も思わなかった。何も疑わなかった。
なのにどうして今日は。
不在中の、この店の主のことをこんなにも必死に俺達は考えているのだろう。
「なくしてからなんだよね、全部」
ムラサキが言った。何が?と俺は聞いた。
「気付くのって」
そしてムラサキは、いない。


※後悔をしないように生きたいと誰しも願うし、その為に努力もする。でも大切なモノってのは中々気付かなくて…その存在を失ってからようやく初めてその大切さを思い知る。そして後悔する。
でもそれは同時に…。凄く凄くその大切なモノは傍にあるのが当たり前だからこそであって、その幸せが日常の一部となっているからであり、誰も責めることなんて出来ない。
「空気、ありがとー!!」とか言ってたらヤバイっしょ。



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