2008'02.08.Fri
level.42
実家に帰って来い!と言われ続けたのは一体いつだったのか…。
今では、実家でゴロゴロしていると、「一体いつになったらあっちに戻るの?」と少しウンザリ気味に言われる。
あの頃は、
本当に「ウザイなあ…色々考えてんだよ、これでも」とか思ったし同時に、
ちょっとでも弱い部分を出したら負けだと思っていたので、どんなに仕事が辛くて、暗い部屋で1人で泣いた夜ばかりでも、一言も家族に愚痴やら不安やらを言ったことはなかった。
そうこうしていると、身近な友人や、大切な人にも何も言えないようになっていた。
言うのが怖くなってしまっていたのだ。
そしたら…
1人で頑張れることが苦痛ではなくなった。と言うか、1人で頑張るのが当たり前になっていた。
1人が「自由」で、そして「気楽」だと思うようになっていた。
んなことが自分の中での「ジョーシキ」になってしまうと…
「人」と「人」との「繋がり」と言うものが何なのか分からなくなってしまって、そして…
「人」としての「やさしさ」や、「おもいやり」や、「ささえあい」や…そういった本当の「ジョーシキ」が欠落してしまった。
何だかスッカラカンになってしまって、自分を見失ってしまったこともある。
一度、崩壊してしまったものは、ガラスと同じで元には戻れないと絶望したけど、でもそれでも良いか…なんて諦めもあった。
諦めれば、凄く楽になる。だからぶっちゃけ諦めたかった。
でも。
当時、そんな粉々になった私のパーツを丁寧に拾い上げ、そして根気強く1つ1つのパーツを繋ぎ合わせてくれた人々がいたから、今、私はココにいる。
その時、思ったのだ。
「人の思い」と言うものは、なんて凄いものなのだろうと。
それがどんなに一般的常識の範囲内である「当たり前の優しさ」なのだと100人が100人答えるものであったとしても、当時の私には、まるで生まれ変わったかのような…大きく偉大な温もりに包まれていた。
それなのに。
いつの間にかまた、私は1人で必死に頑張るのが当たり前だと思っていた。
無意識と言うものは、本当に恐ろしい。
更に一人旅に出たのが、また、それに拍車をかけていた。
どこまで自分は出来るのか?そんな、自分を試すことは決してわるいことではない。
でも、必死になりすぎて周りが見えなくなっていた。
頑張るのは楽しい。毎晩、必死に計画を立てたり、勉強をしたりするのは、仕事をしながらだった当時の私の体にはカナリの負担をかけたけど、でも全く苦ではなかった。
食べなくても寝なくても全く苦ではない、むしろ楽しくて仕方が無い。そんな私はある意味、病人だったのかも知れない。
旅立ってからも全く同じ状況&心境で、しかも旅先で出会う人々は、自分と同じような旅人。もっと頑張らなければ…っと益々必死になっていた。
でも…
そんな調子に乗って思いあがっていた私が、ポーランドで。
スリにあって、人生初と言っても良いくらいの動揺をした時、改めて思い知らされた、人の優しさに。
頭が真っ白で、何を喚いているのか自分でもサッパリだったのに、冷静に対応して助けてくれた友人達、そして現地のポーランド大使館の人々。
だだっ広い大使館の一室で、ボンヤリ腰掛けている場違いのような私に、さりげなく温かい食べ物と、沢山のレトルトの日本食、そして日本の新聞をワンサカ抱えて持って来てくれた大使館の方。
食欲なんて全くなかったし、母国語とは言え、細かい字を追える状態では全くなかったけど、私は、その与えてくれたモノたちを受け取ったその瞬間、
それまで空っぽだった体の一部に、津波のように何かが押し寄せて、とても熱くなり、気づけばボロボロ泣いていた。
「そんなに優しくしないでください」そんなことを何度も呟いていた。
「同じ日本人なんですから。当たり前でしょう?」
勉強ばかりしかやってなかったんじゃないかと思うような、物凄くお堅い外見をした大使館の方から極自然にそんな返事を貰った。
人を外見で判断してはいけない…。
何とか無事にポーランドを後にし、その先の場所で心配しながら私を待っていてくれた友人たち。
そして。
無事に再び戻って来たスタート地点で待っていてくれた沢山の友人たち。
『自分が会いたいと思っている相手も、同じように自分に会うために待っていてくれている』
こんなにも大切なことを私はちゃんと身を持って経験し、イヤというほど体に染みこんで覚えたハズなのに…
再び私は同じことを繰り返そうとしていた。
傷つくのが怖いのだ。
自分を高める為にはどうすれば良いのか?
自分の人生を、自分らしく生きる為にはどうすれば良いのか?
そして…
それらをする為に、人に迷惑をかけないようにするにはどうすれば良いのか?
人と関わらないように頑張る…。
違う…っ!!
春になって。
私の小さなベランダの、小さなプランターの中で眠っているチューリップ3兄弟が目覚め、そして全員花を咲かせたら、
彼らの花を持って、そして出掛けようと思う。
人に関わるのが怖いくせに、誰よりも人が好きな私が、もっともっと頑張れる為に、
会いにいこうと思う。
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