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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'03.29.Fri
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2008'09.01.Mon



level.44


昼間に食べた高菜が気管に詰まっている気がします…ドコのご老体!?


こんばんわ、スナです。今日から9月です。日々の徒然も新たなカテゴリーになりますた。


携帯の中身をちょっと片付けていたらば、こんな写真が出てきますた。お盆に実家に帰っている特急列車の中から何気に撮った1枚です。

現実的&客観的に見ると…
「ドコぞのチビッコがピコーンピコーン写メってんだよ?!」
なんぞ周りには単なるウザイ存在でしかないんですけど、でも…

写真って良くね?


人間の。
2つの目ん玉で確かに捕らえ、そして脳みそに映し出してたハズのモノなのに、ちっとも覚えていなくて、後々改めて見ると…

一体どこのメルヘン王国!?

みたいな…。


人間の「記憶」なんて曖昧で不確かなモノです。とんでもなく脆くて儚い。

勿論。
その儚いままの方が良い事だって沢山ある。ヘタに「記録」を残しておくと後々イタズラに自分を苦しめることもある。

だから。

私は滅多に自分の人生にダイレクトに関わるモノを切り取ることは怖くて出来ないんだけど、それで良いと思ってマス。

だからこそ逆に。

「すばらしいなあ」と感じる、私の心にある「すばらしいボタン」がピコーンと鳴った時は、自然と切り取ってしまっている。

携帯やらデジカメやらトイカメラやらで。

だもんで。
未だに風景や空や花や…そう言ったものばかりに自然となってしまうのだけど、でも、その私が切り取ったモノたちは、私だけが所有できるものではなくて、

全ての人間が共通して覗き見ることが出来るモノでもある。


言葉や文化や習慣や…そう言った小難しくてややっこしいこと抜きに、この地球上で生きている全ての人間が共通して同じように見ることが出来るモノだと思う。


今日。

お隣さんの上司に私がコレまで撮った写真をいくつかご紹介したのだけど、

「ココはドコ!?」とかばかりで…。全てが外国に、自分が知らない場所に見えたらしい。

「ココはね…」と1つ1つ説明して…勿論、外国の写真もありましたが、殆どは日本の、しかも私のテリトリー内のモノです。勿論、彼女が行った事もある場所もあるし、知っている身近な場所もあります。風景だけでなく、知っている花、いつもいつも誰の頭上にある空も…。

フツーに。

「常識」と言うフィルターをかけて見てしまうと見えているのに全く見えていないことがあります。

私も。目ん玉が2つも付いてんのに、見えない。でも見たいから「カメラ」と言う魔法に頼るしかない現状なのです。


まさか。

いつも、あわわ~、わわ~!と頼りなく、そしてボンヤリしている私が、こんな写真を撮ったりしているなんて思いもしなかったらしく、本当に熱心に何度も何度も見入ってくれていて何だか少し…照れくさかったけど、同時に凄く!嬉しかった。

視力2.0の彼女が、物凄く顔を近づけたり、指で何度もなぞったり…。

「絵なんじゃないの?!」「本当にあの場所?!」

写真です。「写真撮るの、結構好きなんす~」なんて頭ボリボリ掻きながら、おっさん病の寝ぼけたマナコで言う人間が撮った写真です、全て。

しかも。別にマニアが使うような一眼レフとかではなく(使い方分からないし)、「こんな機種、あったけ!?」てな携帯や、「ふざけてんの?」てなトイカメラ、ママサンに絶大なる人気のコンパクトデジカメたちです。

誰でもいつでも簡単に手に入るってか既に手に入れてたりするアイテムです、コレ。

でもぶっちゃけ。

写真を撮っている姿は異常ですよ。いつも…通報されないか!?とか「ちょっと君~」と声が掛からないか!?とかビクビクしてますもん。


2つの目ん玉が「全て真実」ではないと言うこと。「真実」と思えないモノが「確かに真実」であると言うこと。


クソッタレのこの世界も、捨てたもんじゃない。

ホンの一瞬。
無意識にした瞬き程の時間の隙間に、想像を超えたモノが目の前に広がっているかも知れない。


頭ごなしに。

こうだ!ああだ!と1つの部分だけを見て結論を出すのではなくて。

ちょっとぶっ飛んだ自分に調子に乗ってみて、ちょっとふざけて面白がって…。

そうして目の前に広がる世界を眼を見開いて見てみれば、

このクソッタレの世界もを案外イケてんじゃね?と。




「…本当に貰っても良いの?」

少し遠慮がちに言う上司に大きく頷く。どうぞ、お好きにしてください。


私の写真達が挟まっているその手作りカレンダーの表紙をボンヤリ見つめている上司の横顔を、

パシャリ☆切り取りたいと思った。













放課後。荷物を取りに美術準備室へ向かいながら、ついでに廊下の窓を閉めていると、
「よう、キザサワ」
体格の良い男子高生達が通りすがりに声をかけてきやがった。
「何やってんだ?」
「見てわかんねぇのかよ。窓を閉めてんだよ」
「何、真面目なことやってんだ、キザサワの癖に」
「おまえらな、俺は教師だぜ?オラオラ、さっさ帰りやがれ。それか部活で青春を謳歌しろ」
白衣のポケットに両手を突っ込んだ恰好のまま彼等に近付くと、膝蹴りをする真似をして追い払う。
「教師の癖に何すんだ?!」
肉付きの良い大きな体を少年のように機敏に動かす。何食ったらこんなに成長するんだ?
「なぁキザサワ、なんで美術教師の癖に白衣着てるんだ?」
「油絵の具は落ちにくいんだよ。オマエらの小汚い制服と同じようなもんだ。なにせ俺の服は特注だからな」
「きらめき商店街のババアの服屋に似たシャツ売ってたぜ」
「言ってろ」
今度買って来てやるよと男子高生達は騒々しく去って行った。

高校の美術なんて選択科目だ。実際ヤツラも俺の担当ではないのだが、何故か俺は男子高生にウケが良い。「点数」や「内申書」を通して関わる担任や必須科目らの教師達より、適当に絵を描き、テストの答案用紙には名前さえ書いてりゃ単位をやる俺は、確かに関わり易いのかも知れない。
甞められたもんだと心の中で苦笑しながらガラリと美術準備室の扉を開ける。

「顔が気持ち悪い。エロい事でも考えてたのか?」
俺は咄嗟に左手で口の周りを覆うが、
「何だ、オマエ?」
スラリとした女子高生が窓際に腰掛けてこっちを見ていた。
「勝手に何をやってる?さっさと帰りやがれ」
俺は後ろ手でドアを閉めるとツカツカ机の前に行き、置いていた鞄を掴んだ。
「絵の具、貸して」
はぁ?俺は思わずマヌケな声を出し彼女を見た。当然だと言わんばかりの顔で右手を差し出している。
「絵の具。来週までに描いて提出って指示したの先生でしょ。うち、ビンボーだから絵の具買えないんだ。スケッチブックで精一杯だっつうの」

芸術科目は選択で「音楽」「書道」そして「美術」の三つの中から入学前の説明会時に一つ選んで提出することになっている。

「あのな、いくら選択科目だからと言っても最低限の用意はしろよな。美術科目を選択した生徒は入学式の時の買い物に絵の具一式必須の連絡がいってただろうが」
「だから買う金がないって言ってんだろ?教科書代だけで済む音楽を選択したのにさ、何故か美術の案内が来るんだから。ソッコー抗議の電話したけどひっくり返らず美術だよ」

たまに…希望とは違う科目にやらされる生徒もいるのは確かだ。
しかし、高校生の美術に使う教材に、そんな高価なものを指定してはいない。

「…友達にでも借りろ」

「やっとこさ何とかお昼を一緒に食べてくれる程度の繊細なガラスの関係の相手に『絵の具貸して』なんて言えるかっての!」
「そんなガラスの関係なら自ら壊せ。どうせガラスなら防弾ガラスをオススメするぜ」
俺はそう言いながらもポンッと絵の具の箱を放り投げてやる。
「ほら、それやるからさっさ出てけ。絵筆はそのヘンの好きなのを選んで勝手に持ってって良いから。先生は帰りたいんだ、今すぐに」
物言いたげに女子高生は俺と絵の具箱を交互に見つめていたが、
「教師の癖に真面目に課題を取り組もうとしている生徒を追い出してさっさと帰宅かよ」
言ったよ。物言いたげじゃなくて言ったよ、コイツ。
「あのな、教師でもあるがただの独身男でもあるんだ。夕方のドラマの再放送、予約録画してくんの忘れたんだよ」
俺は無意識に自分の腕時計を覗き込んでいた。ああ、もうダメだ、間に合わない。

苦虫を噛み潰したような表情で女子高生は突如言った。
「キモッ」
一瞬、俺と彼女の間にある空気の流れが止まった気がしたが、俺はゴホンと咳ばらいをすると使い古した革の鞄を指に掛けて持ち上げ、そのまま肩越しの背中に引っかけた姿勢でクルリとドアに向かった。
「ちょっとー!生徒に戸締まりさせる気?」
俺は無視してそのまま準備室を出る。廊下を歩きながらも彼女の罵声が聞こえた。
「何だアレ…」


※きらめき商店街は、私の良く行く商店街です。あ、きらきら商店街が正式名称であったことに気付いたけど…もうどっちでも良いや。

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