2008'05.04.Sun
level.43
「Happy Birth Day 俺」
0時になると共に電話をかけたらば、待っていたかのように出られ、そしてそう言われた。
「気分はどうね?またひとつオッサンになった気分わっ?」
今日は。
凄く凄く仕事が忙しくて…。GWだから反対に忙しくないよって言われてたのに、忙しくて…。鵜呑みにするんじゃなかった。高をくくって出勤したから、余計この忙しさが身に堪え、帰宅と共にベットに突っ伏してたけど、23時50分には鳴るようにしてたのは正解だった。
「おま、寝てただろ?声がいつもに増してヘンだぞ?!」
5月4日は、親友の誕生日。
「疲れてんだよ。どっかのオッサンと違ってこっちは仕事真っ只中なんだよ。GW!?何ソレ!?食べられるんですか、美味しいんですかー!?」
そう答えながら、何だか向こうから聞こえる音がガヤガヤうるさい。
「…外?」
「うん。イトーとかと飲んでんの」
「ふぅん。オッサンはオッサンを呼ぶ能力があるのか…」
「オッサンオッサンうるさいな」
誰?と声もして携帯を回される。みんな、私も知り合いだ。懐かしい声と、そして親しんだ方言が、何だかくすぐったかった。
「スナちゃんは律儀やな。こうしてちゃんと電話してくるからな」
「フツーだよ」
そう答えたらば、オカノはククッと笑った。
「こいつ、12時前からソワソワしてっから、何かと思えばスナちゃんの電話やったん」
「…かけなければ良かった」
「そういうなってって、おい。まだ話して…」
「もしも~し」
携帯の持ち主が出た。
「明日も仕事なんだろ?さっさ寝ろ。お子様はこんな時間まで起きていてはいけませ~ん」
「こっちはクローバーが満開だよ」
突如言った私に「…ああ?」とマヌケな声が返って来る。不意打ち付かれたっての丸出しだ。
「昔、クローバーとシロツメ草で王冠作ってやったことがあるっしょ。今度ソレ、作ってやっから。今度の土日はそっちに帰るから」
「…ガキじゃあるめーし」
でも決していらないとか、くだらないとか、そんなことは言わない。
「母ちゃんに言っとかないとな。今度の土日は雨神様がご帰宅されるから洗濯物に気をつけろって」
「うん、言っといて。オバサンの作ったフキの佃煮、楽しみにしてるって」
「会話、かみ合ってないんですけど…」
呆れた声と共に、微かに笑い声もした。
子供の日の前夜に生まれたこの男は。
どんなに歳を取っても子供のようなところがある。大人になるに連れ、それなりに落ち着いていったし、元来、マジメで面倒見が良い。転校してきたばかりの頃は、いつも私を迎えに来ていたし、クラスが違うのに良く顔を出しに来ていた。
でも不意に時折、子供のように笑ったりすることがある。いつもほんの一瞬だけど、そしてすぐにいつもの仏頂面になるけれど。
今年もこの男に大いなる幸あれっ!そして長生きしてください。
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