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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'04.19.Fri
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2009'09.12.Sat



←きらめき団2009spring開催中!!


level.48


引越しの作業は、発掘作業に似ている。


こんばんわ、スナです。引越し日も決まり、必死に現在肉体労働をする日々なのですが、この部屋に住んで早○年。この狭っ苦しいスペースのどこにこんだけのモノが詰まっていたんだと…ぶっちゃけ、吐きそうです。

同世代の独身女性よりは、断然持ち物が少ないとは思うのですが、その分、
同世代の独身女性は持たないんじゃないかってモノもハンパない。

マンガとかマンガとかマンガとか…。
あと、写真雑誌とか雑貨雑誌とか植物雑誌とか…月刊とは言え、物凄い量…。過去何年分!?

もう手放しても良いんじゃないのか!?とも思うマンガや雑誌もあるのですが、やはり折角ならば持っていたい…と言う気持ちもあり、そのマンガらと睨めっこ。心の葛藤。

まぁ、
私の所有物のマンガならばまだしも、元彼が持ち込みして置いていきやがったマンガや雑誌たちは、処分して良いものなのか本当に困る。

とりあえず。
雑誌は処分するにしろ、マンガは私も好きなマンガもあるワケなので持ち運ぶことにしたけれど、今回引っ越す先が、まさに「仮宿」なので、出来る限り持ち物を減らす考慮は必要…。

考慮出来てないけど。


ドタンバタンと発掘作業をひたすらやっている私を尻目に、ベットでグーグー優雅に寝ているミルを見ると、本当にコイツが羨ましい。

トイレとご飯だけだから、持ち物。トイレもさ、どうにか躾けて人間用トイレで出来るようにしとけばマジで持ち物ご飯と皿だけだったよ。

約2ヶ月を…。
小さなトランク1つとリュックで旅していた私を見て、カナダで迎えてくれたユキンコは「本当にこれだけ!?」と心底驚いていたけれど、まぁ、確かに少ないなと自分でも思ったけど、でも自分の体で持ち運ぶことが出来る全財産ってのは理想だなとは思う。

雑誌やマンガや本も…。
昔は何度も何度も読み直していた時間があったハズなのに、今現在は、一度読めれば良い、ヘタしたら買ってそのままってな状態のものまである始末。

本当は全て。手元に持たなくて良いモノたちなのかも知れない。


まぁ。
それにしても学生から卒業してこの部屋に引越しした以来の引越しとなる訳なので、荷造りが大変なのは仕方がないのかもしれない。

こうして改めて…。
社会に出てから必死にそれなりに駆け抜けてきた日々のカケラたちを、こうして少しずつ少しずつ発掘するってのは、良い機会だと思うし、何より良いタイミングだったとも思う。


「ちゃんと『準備』をしてからインドに行きなさい」 これもその「準備」の1つなのかもしれない。



ところで。
その肝心のインドなのですが…。

「ちょっとスナさん…」

リーダーが課長を引き連れてやってきたので何事かと思えば、
「近々海外に行く予定があるって小耳に挟んだんだけど…」

「誰から聞いたんですか!?」
質問に逆に質問で即答する私にリーダーは少々たじろいだけど、

「いつからどこにどのくらい行くんだ?!」
ズイッと割って入ってきた課長にイラッとした。リーダーはその隙にいなくなるし。

とにかく。
言いたかったことは何かと言えば、現在新インフルエンザの関係でこの会社は社員共に「海外に行くことは自重しろ」と言うこと。

「行くなとは言いませんけどね、行くならそれなりの手続きをして貰う必要がある」

強制的に課長席に連れて行かれ、イライラしている私にピラリとリストを差し出した。今現在、実際に海外に行っている社員リストであり、事細かくそれぞれの旅行のことが記述されていた。

こんなプライベート極まりないことをこのヘッポコ課長に提出しないとならんのか!?

「帰国後が一番大切でね、帰国後1週間今度は自宅で自重して貰う。勿論絶対とは言えないけどね、常識でしょう?」

友人の医者、アメリカに最近何度も行って帰って来てますけど、マスクの1つもしてなけりゃ、帰国した翌日から病院に元気に出勤してますけど…?

何だか馬鹿らしくなって、「とりあえず予定日程を検討します」そう言って早々に立ち去ろうとした。

「ちょっと、まだ話は済んでいないんだけど!?どこの国に行くのかね!?」

「だから検討するって言っているでしょう?それなのに何故私のプライベートを今、課長に私はお知らせしないとならないのでしょうか?」

私の淡々と喋る低い声に、トンチンカンのアホ課長もようやく黙った。本当にトンチンカンだと思う。ちなみに…私は本気で怒ったりイラついたりすると物凄く低く淡々とした口調になります。

上からの指示でしか動くことが出来ない、状況判断が自分では出来ないそんな人間が課長なんかをやっているこの会社では、海の外に飛び出すことが非常に困難であると言う現実がやって参りました。

まるで鎖国だよ。


もしかしたら…
少し前までの私ならば、会社を辞めてまで予定通りにインドへ向かったかも知れないけれど、今回は凄く冷静に判断し、とにかく様子を見てみることにしました。

インドインド!とばかり叫んでおりながらこんな結果になって非常に残念なのですが…。

ユキンコにも連絡しなくちゃ!彼女こそ世界中を飛び回っているのが仕事でもあるのに、こんなアホな課長の話を聞いたらば、航空会社全てを敵に回してしまうんじゃないか…?!

まぁ。
今回の新インフルエンザは、感染力が凄まじいとのことなのでもし私がこの会社に持ち込んだりなんぞしたらば、一発で全滅しそうなイキオイではあるのだけどね…。ただでさえ謎の病気を1人発症してヒィヒィ言っているような人間に、海外…それもインドだなんてこの会社がこの時期に良い顔はしないな…とは分かる。


それよりも…。
ちゃんと自分から話そうとしていたのに、どうしてどこからこんなウワサが流れてしまったのか…!?

私が以前から、唯一詳しく話をしていた一緒にランチを食べている同じ部署の女性が話したワケでもなく、この部署で上司にあたるメガネには話はしたけれど、彼が勿論、話をしたのでもなく、現状は…、

同じ部署内の他の女の子達がお昼のランチタイムの話題で話をしていたのです。

リーダーに問い詰めて聞けば、しどろもどろに答えてくれた…ごめん、リーダー。

まぁ、しっかり決心を固めてから神妙にリーダーに報告するよりもこうして軽く終わった方が結果的には良かったのだけども、

女ってホント怖いな…と。

私とそして一緒に食事をしている女性は毎回外やら社内の食堂で食事をしているのですが、食事から帰って来てる途中でまだ話をしていた私のインド話のカケラや、そしてその女性が色々と私にインドについて調べた話なんぞを、チラホラと垣間聞きした結果、良いランチネタにされていたってなことです。

勝手に話をするのは構わないけどってか、嫌だけど、でもそれを勝手にリーダーにまで適当に言うなんて本当にゾッとした。

前の部署の子たちと同じように、この部署の女の子たちとも仲良くしたいなあと思っていたし、そう努力もしていたのに、

何だかなあ~。

もう余計なことは話さないのが上手くやる方法なのかも知れないこの部署は。


「課長に呼ばれて聞かれた…」
ボソリそう言った私に、メガネはチラリと私を見た。最近、私はメガネと仕事以外の話をするとき、声が聞こえるか聞こえないかくらいでしか声を発しません。

仕事をしているようで、いつどこで誰が耳をそばだてているのか、もう信じられないので。

「何を?」

「旅のこと…。自重しろって。自重って何だよ、あのハゲも分かって使ってんのかな?自重しろ自重しろって語尾全てに付けるイキオイだったよ。まるで私の存在を自重しろって言われているみたいだった」

アハハとメガネは笑った。

「まぁ…。確かに海外に行くのは慎重になった方が良いとは思うけどね」

「自重の次は慎重ですか。私はどんだけ軽いんだよ」

「拗ねない。スグにスネオになるな」

「カリメロに似てるって言われたことはあるけど、スネオって初めて言われた」

「カリメロって言ったその人と握手したいな」

「とにかく、まぁ、あのハゲにプライベートを知られるのは意地でも嫌なので、予定は未定にして暫く様子を見ることにする」

「うん、そうした方が良いと思う。やっぱり…」

私のPCの1つを操作していたメガネは私を見た。私も視線に気付いて彼を見た。

「俺もスナさんに死なれたら意地でも嫌だから」

私は思わず無言でそのメガネの縁を見ていたけど視線を逸らし、

「いつかは誰だって死ぬし、それに今回の旅は生きるために行くつもりだから…」

メガネも再びカタカタとPCの操作をしだしたけど、

「死んだらごめーんねって言ってたのはどこの誰だよ…」

ボソリそう言った声には聞こえないフリをした。


ホントね、脱出するのも大変ですよ、この鎖国は。

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