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cesta 07

かいしんのいちげき

2025'07.06.Sun
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2008'05.04.Sun



level.43


「Happy Birth Day 俺」

0時になると共に電話をかけたらば、待っていたかのように出られ、そしてそう言われた。

「気分はどうね?またひとつオッサンになった気分わっ?」


今日は。
凄く凄く仕事が忙しくて…。GWだから反対に忙しくないよって言われてたのに、忙しくて…。鵜呑みにするんじゃなかった。高をくくって出勤したから、余計この忙しさが身に堪え、帰宅と共にベットに突っ伏してたけど、23時50分には鳴るようにしてたのは正解だった。


「おま、寝てただろ?声がいつもに増してヘンだぞ?!」


5月4日は、親友の誕生日。



「疲れてんだよ。どっかのオッサンと違ってこっちは仕事真っ只中なんだよ。GW!?何ソレ!?食べられるんですか、美味しいんですかー!?」

そう答えながら、何だか向こうから聞こえる音がガヤガヤうるさい。

「…外?」

「うん。イトーとかと飲んでんの」

「ふぅん。オッサンはオッサンを呼ぶ能力があるのか…」

「オッサンオッサンうるさいな」


誰?と声もして携帯を回される。みんな、私も知り合いだ。懐かしい声と、そして親しんだ方言が、何だかくすぐったかった。


「スナちゃんは律儀やな。こうしてちゃんと電話してくるからな」

「フツーだよ」

そう答えたらば、オカノはククッと笑った。

「こいつ、12時前からソワソワしてっから、何かと思えばスナちゃんの電話やったん」

「…かけなければ良かった」

「そういうなってって、おい。まだ話して…」

「もしも~し」

携帯の持ち主が出た。

「明日も仕事なんだろ?さっさ寝ろ。お子様はこんな時間まで起きていてはいけませ~ん」


「こっちはクローバーが満開だよ」

突如言った私に「…ああ?」とマヌケな声が返って来る。不意打ち付かれたっての丸出しだ。

「昔、クローバーとシロツメ草で王冠作ってやったことがあるっしょ。今度ソレ、作ってやっから。今度の土日はそっちに帰るから」

「…ガキじゃあるめーし」

でも決していらないとか、くだらないとか、そんなことは言わない。


「母ちゃんに言っとかないとな。今度の土日は雨神様がご帰宅されるから洗濯物に気をつけろって」

「うん、言っといて。オバサンの作ったフキの佃煮、楽しみにしてるって」

「会話、かみ合ってないんですけど…」

呆れた声と共に、微かに笑い声もした。


子供の日の前夜に生まれたこの男は。

どんなに歳を取っても子供のようなところがある。大人になるに連れ、それなりに落ち着いていったし、元来、マジメで面倒見が良い。転校してきたばかりの頃は、いつも私を迎えに来ていたし、クラスが違うのに良く顔を出しに来ていた。

でも不意に時折、子供のように笑ったりすることがある。いつもほんの一瞬だけど、そしてすぐにいつもの仏頂面になるけれど。


今年もこの男に大いなる幸あれっ!そして長生きしてください。







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2008'05.03.Sat




level.43


このくらいどーん!と大きく示さずにはいられない本です、コレェェェ!!!


ユキンコォォォォ!あったYO-!!!!


折角設けた「svobodný」(←チェコ語でフリーエリアってな感じの意味)の欄を、そろそろ違うのに変えようかなと思ってAmazonさんにフラリ、訪れたらば…&あまり期待しないで検索してみたらば…っ


あったよー!あったのだよー!!!

「THE ARRIVAL」



この本は…。
ポーランド、ワルシャワにて持金ほぼ全てをスラれ、それでも母国じゃぱ~んには帰国せずカナダに行くのだ!と、大使館に借金をし、シマダに無理を言い、そして乗り込んだカナダにて巡り会った本です。

金がないのに海外にいることが既に可笑しいと思うのですけど、それでも当たり前に楽しく過ごせたのは、ユキンコのお陰。

そして。
結構…良い値段が付いていたこの本を、どーしても!どーしてもっ!!欲しくて、でもその場ではお金が足りなくて…。代わりに支払って貰って…。駄々っ子だよ…。

意外にヘンなところでプライドが高いので、「ここまでしてこの本をゲットする意味があるのか!?」とも一瞬、思いもしましたが、それでもっ!!


どーしても欲しかった。



本当に凄い。本当に凄いから、コレェェェェ!!!!!!!!!


今思えば…

この本に出会う為にカナダに行ったと言っても過言ではない。カナダでこの本に出会う運命だったのだ…っ!!


英語がニガテな方。ご安心下さい。

この本は全て「絵」だけです。言葉は最初と最後だけ。内容は全て「絵」で表現されてます。

だから!本当に凄い。



また、

殆ど「初めての海外」と言っても過言ではない&ロクに英語が喋れないどころか、聞き取ることすらままならない、そんな状態のチビッコ日本人が、たった1人で約2ヶ月…海外を転々とし、そしてこの地球を一周したその、最後の海外最終目的地にて出会ったってのがまた一層、感動を与えてくれたのかも知れない。

初めの1回目。
本屋にてパラパラと立ち読みした時は、単なるアドベンチャーと思った。

部屋に帰って2回目。
ジックリ読むと、アドベンチャーどころか、リアルな「転勤」ってか「移住」で、何だかしんみりした。

続けて3回目。
気付いたら、涙が止め止めも無く溢れていた。

涙を拭って、心を落ち着かせて4回目。
「良かった…っ」と心の底からホッとし、そして何だか分からない勇気と希望が沸き上がってた。




日本に帰国して…そして、日本の社会人として再び当たり前に生活をし、そしてその生活費を稼ぐ為に当たり前に仕事をするこの日々になっても、

時折、パラリパラリと捲っている。



あの時。
本気で「非現実」の世界を旅していた私と、今、必死で頑張っている有り触れた「現実」で生きている今の私では、また…

感じる感情が違う。

「非現実」で。
必死こいて、でも楽しくて…。でもやっぱりそれなりに疲れていて、懐かしい、あの自分のテリトリーに帰りたい。そんな気持ちが凄く凄く強かったあの頃は、

やはりこの本に凄く「共感」ってか「共鳴」していた。


そして。
言葉は勿論、読み書きも、交通の便も、紙幣や硬貨のお金も、買い物も、友人関係や、仕事…。そんな、「当たり前」のことを、「極々ありふれた日常」を、当たり前に過ごす、そんな今の自分は、

やはり、あの時感じた「共鳴」を今は感じることが出来ない。


この本は。
単なる「空想の中のお話」だ。カンペキに「他人事」として眼に映る。


だから。
こんなに素晴らしい本だと言っても、皆さんにはどうしても伝わりにくいかも知れない。


でも私は、私にとっては。

確かに、私の魂と共鳴した本である。




そして。
これだけは言いたい。


この作者の表現力は只者ではない。



私が。
たった1人、全く知らない世界に飛び出した理由と、この主人公である「お父さん」の心境は全く異なる。

追われるように住み慣れた土地を離れ、大切な家族の為とは言え、新居地を1人訪れるお父さんは、本当に寂しかったろうし、辛かったことだろう。

何を言っているのかサッパリ、でもどうにか無事に突破しなければどうしようもないイミグレ。

何とか突破し、無事に目的の地に着いても、右も左も分からない。

言葉は勿論、宿の施設の使い方、食料の買い方、乗り物の乗り方、この街のルール…。まるで初めて外に出された子供のように、何ひとつ、分からない。


でも。
それでも必死にひとつひとつクリアーし、馴染んでいくお父さんの姿がとても嬉しい気持ちにさせてくれます。

「当たり前のこと」を、ひとつひとつ、丁寧にやり遂げ、そしてマスターしていく、その根本的な大切なことが、この本には練りこまれている気がする。

そして。

生活するということ…「生きるということ」とは、一体何なのか?そして、生きていく中での「幸せ」とは何なのか?

そんな…。
人として生きる為に当たり前の、根本的な大切なことだけど、でも、あまりにも当たり前すぎて見えなくなっている、そして忘れてしまっている。

そんなことを気付かせてくれる一冊です。


「旅」と言うものには。

「departure」と、そして「arrival」が存在します。

そしてその、「arrival」の先が重要なのだと思う。
「arrival」する為だった、その「旅」の意味がようやく現れるんじゃないかなあと…。



私が昨年。
突如、何もかも切り捨てて…この旅の途中でこの命が終わっても、それでも良いと覚悟を決めて1人飛び出したその終わりには、

この「THE ARRIVAL」が待っていてくれた。


私が旅した意味のヒントが、この「THE ARRIVAL」には確かにあった。


「宿命」と言うのは信じないけど、もがいて抗うけど、でも…。

「運命」と言うものは信じる。



もう…。一歩も歩けない。このワルシャワから出られず、ここで生きていくのも死んでしまうのもアリかも知れない…。

大使館の人が手配してくれた、まるでB級映画に出てくるような、ぼろっちいアパートのようなホテルの一室で1人、

眠れず、暗い電灯の下でボンヤリ思ったりもしたけれど、それでも、想像もつかないほど心配をかけてしまったカナダで待っているユキンコの、不安そうな顔や、そして…

懐かしく愛おしい日本でずっと待っていてくれている大切な友人達の、心配しながらもこのブログを見るためにPCの前に座ってくれている1人1人の顔が浮び、

私は恥を忍んで大使館の方に借りた大切なお金を、単に帰国する為に使わず、カナダに飛ぶことに決めた。


本当は。
ナケナシの、うまく数えることがままならないポーランドゾルチのクシャクシャの紙幣と硬貨を必死で計算し、地図を開き、日程を練り直すと、何とか旅は続けられそうな気もあった。

でも。

もうこれ以上、大切な人々に心配をかけるのはイヤだったし、そんなことをしてまでする旅では決してなかった。

かと言って。
こんな結末で日本に帰ることも出来ない。


B級映画に出て来るような、ぼろっちいアパートのような一室で一晩、そんなことを考えていた。



スリに会い、そして殆ど一文無しになってしまうのは宿命だったのかも知れない。

でも私はこうして無事に無傷の健康体でアッサリとポーランドを脱出し、予定より少し早かったとは言え、カナダでユキンコに会うことが出来、そして日本の首都を満喫までして、無事にアジトに帰還し、相棒のネコを抱くことが出来た。


予想外だった「宿命」を受け入れた後、自ら選んだ予定外の「運命」だったけど、間違っていなかった。

ユキンコには本当にご迷惑をおかけしたけど…あわわ~。


もう。
飛ぶことなんて出来ない、飛びたくもない。そんなグッタリと疲れ果て、ボロボロのベットにグッタリと腰掛けて過ごした、小汚いホテルの一室で過ごしたあの夜はきっと、一生忘れることはないけれど、

同時に絶対なんとしてでもカナダに行きたい!そう強く思ったのもあの時だった。


そんな想いが叶って辿り着いた先で出会ったのがこの本です。



旅と言うものは。

根無し草と同じ。だから「自由」な分、とても「不安定」で「不安」で「孤独」で「寂しい」

心身ともに想像を絶するほどの「疲労」そして、限りなく訪れる「この旅の終わりへの渇望」


そんな、果てしなくそして儚い願いと戦いながら旅人は、それでも一歩一歩、運命を切り開きながら進む。


その先に。必ず。

「ARRIVAL」はあって、そしてもっとその先には、

この手にする為に旅した真の「目的」をちゃんと掴むことが出来ることを信じているから。

どんなに一歩が辛くて困難でも…

「希望」だけは手放さない。

絶対に。




そんな、

頑張っている全ての「旅人」たちに是非とも読んで欲しい本です。



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