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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'04.19.Fri
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2010'11.19.Fri



level.51

ガンガーの朝日。夕日が大好きですが、これを見て、朝日も良いもんだなとシミジミ実感しました。




提出した確定申告の用紙に…

ハンコ押すの忘れていたことに、我が家のドアの鍵を開けながら思い出した。

後で押そう押そう思いつつ、仕事が目まぐるしくて、そして回収に来たオッサンが「申告出来ませんよ~。戻って来ませんよ~」とウザくてあのままだったら、辛うじて息の根がある毛根を死滅させてしまうとこだったので、思わず渡したんだけど、

結局またやり直しかよと…。


「スナさん!アナタはどうして毎年毎年…っ」と毎年毎年ウザいオッサンの毛根にトドメを刺さないよう、気をつけようと思います。


こんばんわ、スナです。会社奴隷の確定申告の時期です。本当に1年は早いもんだ。

まぁしかし。
毎年毎年「早いもんだ」と言いつつも、それなりに毎年毎年、何かしらイベントは発生しているもんだ。

去年は引越しだったし、今年はインド。しかもどっちも年の暮れ駆け込みみたいな感じで。


別に狙っているワケでは断じてないが、何か大きなことはいつも後半戦に起こる。その年の集大成みたいな。

ま、そんなペースで良いと思います。



あっと言う間に。
約一週間前と同じ、慌しい日常をやってます。ここから春まで超全速力で突っ切り続ける日々となるので、春には命があるのか…少々不安。

今日も。
チームの皆、本気の本気で屍みたいになってたからね。虚ろな眼、そしてポカンと半開きの薄ら口からエクトプラズム、出てたよ?

まだ一週間の猶予があった私は、申し訳ないが皆よりちょっとユトリがあるので正気を保っていられましたが、あと一撃食わされるとHPもMPもゼロになるところだったので、さっさ帰りました。


バナラシで。
量り売り紅茶を大量に買い、コーヒー豆を入れるような簡易の袋に詰められてホクホクと持ち帰り、それを自分で小分けして職場の皆に配ったのですが、その1人からメールで、

『聞けなかったんですけど、アレって紅茶の葉っぱですよね?大○さんではないですよね…?』

と…。



ハッとしました。



まだゴロリと残っている、コーヒー豆の袋のようなチャイの袋詰めを思わず見、危なかったと…。


税関で。
勿論、申告するものなんて1つもなかったので、何も記載してなかったんですが、とりあえず念のため、税関員も聞いてくるんですね。

「申告するものはないですか?」と…。

んで、ハイ!と元気に答えるワケです。そしてマニュアルどおりの私の返答と、マニュアルどおりにチラリ申告カードを見て、

「お土産は何ですか?」

と私の鞄に手を置きながらまた聞いてくる訳です。そして私も答えるワケです。

「コウチャとザッカ」勿論、カタコトです。


「何なら見ます?」と喉元まで出掛かっていたのですが、チャックの鍵を外すのが面倒だと言う理由で言わなかったんですが、ニコニコしているチビッコと小汚いバックを交互に見て、

「はい、良いですよ」と税関員は、言いました。


余計なこと申し出なくて、良かった…。


別に何1つ、やましいことも間違ったことも言ってないし、やってないのですが、もしあの時、この紅茶の袋詰めを見られたら、あんなにアッサリ通過できなかったんじゃないかと…。


勿論。
お土産用の綺麗なカラフルな箱に包まれた紅茶もあったのですが、べらぼうに高かったんですよ。

私の小さな掌にスッポリ納まるくらいの箱で約400円。別に大した額じゃないだろ!?と思われるかも知れませんが、チャイ一杯約5円の世界では破格の値段です。

ボッタクリも良いとこだろ!?と喚くジャパニチビッコに、バナラシの物売り青年は溜め息を付くってか、ツバを吐くイキオイで「付いて来い!」と…。

そして紅茶の量り売りですよ。京都の裏の細道もビックリな、細い細い路地を行った先にある、薄暗い小さな店でした。1人では絶対に2度と行けない。

量り売りで買うと、10分の1の値段だった訳です。同じ品でこうもラッピングの威力を突きつけられると鳥肌が立ちますな。

日本では、過剰包装が今なお色濃くありますし、私が以前勤めていた会社はソレ関係だったので、ラッピングがなくなってしまうと死んでしまうと言うことであったので、そこまでラッピングが悪いものだとは思わなかったし、高いものだとも思わなかったのですが、

ラッピングの破壊力、マジ、パネェ…。



しかし!

今度もし紅茶やらをお土産にするときは、ちゃんとお土産用の綺麗なラッピングに包まれたものを買おうと思います。




超暴走特急インド人と私がタッグを組むと、国際犯罪ギリになることが判明された瞬間でした。




しかし~。
ホントにアッサ~ムグリーンティーの茶葉の香りは素晴らしい。

あまり紅茶は関心がないので、グリーンティもアルヨと出されたのが、アッサム地方の茶葉と、そしてカシミール地方の茶葉だったのですが、カシミールの方が上品でホンノリ香り、そして日本の緑茶の香りに近い。だから紹介してくれたバナラシの青年も、カシミールをゴリゴリといつものインド人らしくオススメしてきてくれましたが、

アッサムの茶葉を嗅いだ時、もう、これしかない!と…。

何だろう…このずっとずっと嗅いでいたいってか思い切り吸い込み続けたい、この香りは…。

詰めて貰っている間、ずっとサンプルをスーハースーハーしていた私に、流石のインド人も引き気味で、それ以上はゴリゴリ押して来ませんでした。


私は…こーゆーことが良くあります。ピン!とインスピレーションが反応するともう、他のが一切見えない。

ガイドのムケシュご自慢の。
担当した日本人は皆、絶賛しホクホクと大量に買っていくと言う馴染みのperfume屋サンに私なんぞも連れて行ってくれたのですが、その道中、

「絶対ローズが良い!」と鼻息荒く言っており、ほぅ~と私も思っていたんですが、

「ん?この赤いのは何?」

ローズをはじめ、次々とパフュームを私の手につけて一体何が何の香りなのか分からなくなり、匂い慣れていない私は「おぇ~」と少々気分が悪くなってきたとき、

見て考えているのに、次から次へと畳み掛けるように商品を出してくるのがインド人なのに、1つだけ奥の方に仕舞って出してない赤い小瓶があり、私はそれを手に取った。

「ああ…ジャスミンね、ソレ」

ムケシュの友人の香水屋サンは殆ど関心なさげにフタをあけ、私に匂わせてくれたんですが、

もうね、天にも昇るような良い香りで…っ

「コレだよ!」

叫んだ私に、ムケシュも香水青年も「何がだよ?」と言う顔をしましたが、

「コレだよ!コレくださいよ!?」

香水なんて…と全く興味なさげにいたのに、いきなりスイッチ入ったヘンタイに、

もう何十時間も一緒にいたムケシュは慣れたもんでしたが、香水青年は圧倒されておりましたとさ。

「あ、ハイ。勿論良いですけどってか、ホントにローズじゃなくて良いの?」

圧倒されながらも取り合えず、最後の最後までオススメしたそのインド魂は認めます。



「ジャスミンだって!」

だから何?ってな返答しか出来ないようなことを、隣にいたムケシュに言いながら、受け取ったその小瓶を大事に抱えている私を見て、あんなにローズローズ言っていた彼も「そうだね、気に入ったのが見つかって良かった」と笑ってくれました。


インド人との買い物は、本当に楽しいです。


最初は。
オススメされるがままでしかないジャパニなんて、赤子の手を捻るようなもんだと言うような顔をして話していた彼も、この旅で、振り回されるだけ振り回され、沢山沢山噛み付くように突っかかり自分の意思は曲げなかった私に、

「沢山の日本人のガイドをしてきたけれど…スナのような人は初めてだった」

と最後、空港で別れる時ボソリと苦笑いをしながら言ってくれました。


笑顔と言えば…得意げな顔だった彼の笑顔が、いつの間にか苦笑いばかりになっていたこと、そしてその目が優しくなっていたことに気付きました。


私でも、人を変えることが出来るんだと。


私なんかよりも日本を愛し、そして興味を持っているインド人の彼の中で、日本に対する新たな一面が記憶に残れば…そう願いました。


空港で。
ドライバーさんに別れを告げながらチップを渡し、急いで先に行っているムケシュの元へ行けば、日本人の優しそうなオバサマと親しげに話していたので、ビックリしていると、

「あら、奥様?」

と…。

久々聞く、片言ではない綺麗で品のある日本語を聞いた嬉しさの前に、はぁ?と思わず突っ込もうとすれば、

「そうですよ!」

ガイドの彼はニヤリと笑った。

その日本人のオバサマは、同じ旅行会社の同じガイドさんだったとのことで、日本支社にいるそのオバサマは日本人の団体さんを引き連れてこれから東京に帰国するところだったとのことなんですが、

やられた!

アグラで。
ミュージカルを観に行った時、立派なホールで出会った日本人女の子に彼氏だと紹介していたのを聞いていたことにその時気付きました。


「そう…見えますか?」

顔を引きつらせながらそう話しかけると、「あら?間違えてしまったかしら…?」とオバサマは手で口を覆いましたが、

全てが偽りで全てが真実でもあるようなこのインドを。
知り尽くしているベテランの日本人マダムが、笑いを堪えているようにしか私には見えなかった…。


最後の最後まで。

色んな出会いが1本の繋がった糸を手繰り寄せるように押し寄せ、1秒たりとも時間を持て余す暇なんてなかった。

そして。

その出会いの数だけ、別れがあり、殆ど同じような毎日を繰り返しているかのような日本でもそれなりに別れは経験し、そしてその「別れ」と言う「儀式」が、

本当に本当にニガテである私は、涙を堪え寂しさや悲しさを押し込む暇すらもなく、次から次に去っていくインドでの出会いに、かなり別れの儀式に対して免疫が出来ていたのだけれど、


「またね!」

そうカタコト日本語で言って抱きしめてくれたガイドの彼との別れは、思わず私も胸が詰まりましたが、

またね!

そう笑顔で返すことが出来ました。




インドに行く前と何も変わらない慌しい日々。

イヤホンで日本の音楽を聴きながらチャリで通勤し、日本語の敬語をペラペラと使いこなし仕事をする。

同僚達とランチを食べながら日本語で笑い、愚痴を言う。

帰りにコンビニにより、イヤホンをしたまま当たり前に買い物を済ます。


誰一人、私がここで生きていることに疑問を抱かない。

綺麗に髪を整えメイクをし、きちんとした服を身につけビジネスショルダーバックを持った極普通の有り触れた日本人のOLなのだから。



ただ1つ。

手首に巻いている腕時計が。

インド時間だと言うことは…誰も知らない。




これにて。
「Cesta~eposode4~」インド編は終了です。道中ブログに対しての温かいコメントを下さった皆さん、そしてご訪問して頂いた皆さん、本当にありがとうございます。

旅の途中で再会してくれたユキンコ、そして留守を守ってくれたクンクン、2人とも心からありがとね!!大好きだ!!


またいつものダラダラくだらないブログになりますが、そんな中でも時折こうして突拍子もないことになったりもします。



何が真実で何が偽りなのか…。人生は小説よりも奇なり。ですよ。


この旅で私は。
また1つ目標が出来ました。

来年はこの目標を支えに、何とか生きてみたいと思います。

残り少ない今年は…この目標の為の前準備に費やすぞ!


日に日に寒さが本格的になり、冬将軍も足踏みしてんじゃないのかな?

お体には十分お気をつけくださいませ…。

皆様にとって。明日もシャンティな1日でありますように★


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2010'11.15.Mon



level.51


昨夜22時過ぎに無事、我が家に戻って来ました。

何が一番大変だったかと言えば、我が家までのビルの階段を登ることです。

バック、重っ!!


上の階のカメラマンを呼んでこようかと思ったけど、ふと、自分の今の格好を見てやめました。

日本人に…見えるか?


デリーの空港で偶然出会った日本のリーマンからも、そして香港→日本への飛行機でとなりになったリーマンからも、そして、空港から家までの交通機関の中でも…

みんな、私を避けていた…!


サリーではないけれど、インドで買ったチュニックを着、その上からジャージを着、顔はスッピン、髪はボサボサでまるで漫画家の、う○たのような髪型をしていた私を見て、日本の独身OLとは誰も思うまい…。

しかし、それにしても日本人は外国人にビビリすぎ。単なるチビッコに脅えすぎ。

国際線ターミナル→国内線ターミナルを行くバスがトイレから出てきたとき丁度来たので走って飛び乗ると、

「並んでたんですけど~」

とボソリ聞こえたので振り返り謝ろうとしたら、男性がビクッとして眼をそらし何も言わないので、空耳だったかしら?と思ったのも、

地下鉄で一番端の席で、うつらうつらしてて気付けば席がギュウギュウだったので、慌てて詰めれば、隣に座っていた女性が、何故か、

「すみません…」

と物凄い恐縮して謝るし…。

いや、こっちこそすみません。


そんな日本の洗礼も受け、朝、窓をあければ、日本語が聞こえるこの見慣れた光景を見、

ああ、帰って来たんだなあ…と。




こんにちは、スナです。

たったの1週間だったのに、なんだか随分長く日本を離れていた気がします。

今回の旅は。
前回の海外とは全く持って異なり、写真やらパンフレットやらのちょっとした旅の思い出が殆どありません。

あんなに写真を撮るぞ!と鼻息荒くデジカメも一眼レフとコンデジを抱えて乗り込んだのに、殆ど撮っていません。

それは、

写真では表現出来ないモノたち。

だったからです。


私のこの肌で、目で、耳で、口で…体でしか分からないモノたち。

逆に切り取ってしまうと、チャチで廃れてしまうモノたち。



単に私のカメラ技術が未熟だったのもありますが、カメラを構え、シャッターを押す時間すら、勿体無くて…。

それよりもこの目で見、心に焼き付けたい。



インド人は大人も子供も外国人に大変興味を持ち、怖がりもせず、近寄ってきたり、微笑んだら微笑み返してくれます。

カメラを向ければ大喜びをしますが、でも私はその時間よりも握手をしたり、手を振ったり、挨拶をしたかった。


レンズを通さず、じかに心で触れ合いたかった。

そう思ったら、カメラが邪魔くさくなり、車の中に置いてきてしまったりして、ガイドにビックリされたけど、上記のことをジェスチャーも加えながら話せば、

そうだね!feelingは大事なことだ!とニッコリ笑ってくれました。


写真を撮りたくないと思う場所があるとは、思いもしなかった。



どうして私は。
ずっとずっとインドに行きたかったのだろうか…?


アグラ→デリーに向かう、長い長いドライブ中に、「皆にアンケートをお願いしている。これは私自身とお客さんとのプライベートのアンケートで、会社は関係ないから、もし良かったら書いて欲しい」

そう渡されたボロボロの表紙の厚紙もないノートには、沢山の今まで彼が担当してきたお客さんたちの名前と連絡先と、そして好きなモノや夢や…そんな項目に対する答えが書かれていた。

その中に「なぜインドにきたのか?」と彼直筆の日本語で書かれた項目があり、そして私は悩みました。


何故…?


今後も。
彼は担当したお客さんたちにこのノートを差し出し、私もしたように他の客の内容を読んだりするのだろうから、あまりヘタなことは書けず…。かといって何故?と今更ながら直球で突きつけられると、分からない。


何故…?


結局「ずっと気になっていてそれを確かめたかったから」と書きましたが、しかも他の客は丁寧に英語やひらがなで彼が分かりやすく書いているのに対して私は上記のまま、書きました。

案の定、「確かめる」と言う言葉を彼は分からず聞いてきましたが、日本語でも英語交じりでもゴニョゴニョとしか答えない私に、白黒ハッキリのインド人の彼は、速攻諦めてくれました。


何故、私は行きたかったのか?

インド人の彼が日本に興味を持っているのは分かります。逆に問うた時、私が想像していたことと同じような事を彼は元気に答えてくれたから。


日本のマンガは好きですか?と聞けば、勿論!と答え、内容のレベルのことになるかと思えば、

「紙がきれい」と…。
マンガ本の紙に彼はビックリしたそうです。勿論、ドラ○もんとか知っていて、ジャイアン凄い!と色々話してくれましたが、まず、素材かよ?と…。


日本とインドでは「物質の豊かさ」が全然違います。

デリーに1人暮らししている彼は、テレビも持っていないとのこと。
私のホテルの部屋のテレビを勝手につけ、歌番組にし、一緒に歌って踊っているその姿を見たり、私の一眼レフをみてビックリしていたり(日本人は皆、ソ○ーのコンデジを持ってくるらしい…)でも写真を撮るのが大好きな彼は、写真を放棄した私の代わりに沢山写真を撮ってくれた(殆どボヤけているんですが…)
でも、彼は彼自身のカメラを持っていない。

日本に行きたくても、チケットを買うお金が貯まらない…。


彼が手に入れたくてどうしようもないモノたちを、私は当たり前に手に入れることが出来、事実持っている。

彼は…
どんな気持ちで日本人たちが持ってくる高性能のコンデジを受け取り、代わりにシャッターを押し続けて来たのだろう…。

「勝手に使って良いよ。データは日本からメールで送るから」

私は旅の間、コンデジを彼にカメラを託しました。私なんかより、彼の方がすばらしい写真をとってくれると思ったから。


四季があり、ネットや本でみた「桜」が大好きだと言う彼は、メールアドレスにも「sakura」を入れていました。

優しくて品があり、丁寧で控えめ。そしてお金や良いカメラを沢山持っている日本人が好きだし、治安が良く便利が発達している日本に興味を持っているワケです。


逆の立場からみた日本人の私が、何故インド…?


旅の途中の日記でも書きましたが、スピリチュアルな部分をインドに感じやってきたのかも知れないし、単に、皆が「インドに行けば人生観を変えさせられる」と言うようなことが、自分の人生観も変わるのか知りたかったと言うようなミーハーな部分もあったのかも知れない。

確かに。
インドは凄いです。私も、私の今までの人生って何だったんだろう…ととてもチッポケなものに思い、シュンとしてしまったこともこの旅の途中であります。

ヒンドゥー語は全く分からない私なのに、日本語を日常会話程度に使いこなしているガイドの彼に驚かされ…。どれだけ彼は努力をし、勉強をしたのだろう…。途方もない時間に感じた。

ガイドの彼1人をとっても、インド人は本当にパワーがあり、まさに「有言実行」です。

「日本語、苦労した?」と聞けば、「好きだから苦労じゃない」

インド人らのパワーにあてられ、日本とは比べ物にならない過酷な環境化、そしてピリピリと突き刺すような太陽の痛い光に、ほんの1週間の間でも、何度も疲れ果て、体力が低下すると共に、元来の気弱でウジウジする悲観的な私が顔を出し、その度に、ガイドの彼は、

「リラックス!リラックス!何も心配はありません。でもあるなら小さなことでも言ってください」

そう言ってインドスマイルをしてくれました。

だから私は、気軽に道行くインド人と話を交わしている彼に、後で「何を話したの?」と面倒くさいことまで聞いたりしてましたが、それでも彼は私が聞く前に「こんな話をしました」と言ってきてくれたりもするようになった。

それらは本当に些細な事内容で、本当に友達でも何でもない見ず知らずの人なのにまるで友人のように話をしているその姿が、私の田舎を思い出させるものでした。

でも1つ、ガンジーさんのお墓である「ラージガード」の前でガイドを受けているとき、警備員からワーワー言われて、何をそんなに怒っているんだ?!とビックリし、後からガイドの彼に聞けば、

「後ろが詰まっているんだから、早く行け!って言ってたんだよ…。でもちゃんと謝ったから大丈夫。心配しないでください」

と苦笑いをしながら渋々答えてくれました。

せっかちで、せわしなく、そしてどこもここも人が多いインドでは有り触れたことらしいのだけど、警備員さんの言葉も分からず、そして謝ることすらも出来ない私のココでの存在が、赤ん坊並みの存在なんだと言う事を痛感し、何も出来ない自分が悔しくて居た堪れなかった。


旅行者なのだから仕方のないことなのかもしれない。

お金を払って依頼しているガイドに任せるのは当たり前のことで、逆に下手に私が動いたらガイドの彼にも旅行会社にも皆皆に迷惑が掛かる。

それでも、私は彼と対等でありたいと思った。何も出来ないくせに、そんな立派なことばかり考えてしまう自分が情けなくて、すぐに顔に出てしまう私の不穏な空気にガイドは、私を嫌な気持ちにさせてしまったのかと気にかけてくれましたが、上記のことを述べると、「有難う」と無理して笑ってくれました。

事実。何もできないのだから仕方がないし、誰が悪いと言うわけでもなく、そして何が悪いってことでもない。

ただ、彼が日本に来たときは、名所の桜が満開に咲いているのを見せてあげたいと思います。


一人旅でも、そして団体ツアーでもない旅。こんな思いをすることになるとは考えもしていないことでした。


ガイドの彼には。
本当に沢山お世話になりました。笑顔で笑いあったこともあるし、ケンカもしました。
ガイドとして一生懸命説明してくれ、そしてツアリストとして一生懸命話を聞きました。
一緒に食事もし、意外と辛くなく、むしろ日本で食べるカレーの方が辛くて刺激が強いので「美味しい美味しい」とパクパク食べている私に、猫舌で辛いものがニガテの彼は、私が頼む料理に苦戦し、そしてデザートにアイスを注文し、そのアイスが迷わず私の真ん前に置かれ、恐縮しながら食べているのがおかしかった。

スケジュールに含まれているガイドのほかに、個人的な質問…例えばインドの国旗の意味や、ビザ発行依頼の書面に描かれていたヘンな絵についての説明、そして入国カードにある、外国人は「None」にチェックでOKだけど、その他のチェック項目の意味などなど…沢山質問したけど、彼はすぐさま積極的に分かりやすく教えてくれた。

私はきっと…答えることが出来ない。日本の国旗のこととか聞かれても「日の丸?」としか答えられないし、日本政府が発行している書面にモチーフがあるかどうかとかも知らない。入国カードなんて日本人だから簡単だし、何も考えずに書き終わり、良く見たこともない(今回もそうだった)


そんな、
自国では当たり前すぎて何も興味も関心も持っていないのに、彼はガイドと言う立場もあるからかも知れないけれどちゃんと答え、そしてインドを愛している。


私が海外に行きたくなる理由は。
日本を愛し、そして自分が日本人であると言う事に誇りを持ちたいからです。
外から見ると本当に良く分かる。

当たり前過ぎて感覚が麻痺して…何にも有り難さを感じなくなったら皆さんも是非、外に出てみたら良いと思います。


でも。

どうして私はインドに惹かれそして行ったのか…?

これについてはヤッパリうまく答えることが出来ないけれど、でもそれで良いのかも知れません。


結局は。

インド人のガイドと沢山笑い、沢山ケンカをし、沢山困り困らせた、その間は、

インド人だとか日本人だとか、そんなことは全く関係なかったのだから。



明日1日休み、またこの日本で私は日本の社会人の日常です。ガイドの彼も同じ明後日からまた次のツアリストにガイドをするとのこと。


あの、
11月だと言うのに半袖でも汗ばみ、喧騒の中、沢山の人が行きかう混沌としたインドに、

私はまた行きたいと思います。


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