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cesta 07

かいしんのいちげき

2025'07.08.Tue
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2009'05.28.Thu



level.47


ちょっくら入用で。
以前の写真をボヘーと見ていたらば、こんなん出てきた。


2007年秋に旅した時の1枚です。


コンバンワ、スナです。1人旅だったので、自分の映っている写真なんぞ数えるほどで…ってか、元々「自分が写真に写る」ってのがニガテなので無くて良いんですが、

この風景だけはどうしても「自分がココにいた」ってのを残したくて、その辺にいたチェコの子供にジェスチャーで撮ってもらった苦心の一枚です。

チェコの首都、プラハの郊外に位置するこの場所は「ヴィシェフラド」と言う街で、流れている川は「ヴルタヴァ川」と言い、通称「モルダウ」です。

郊外なので、世界遺産に登録されているプラハの美しい建物が連なる景色とは異なって質素で素朴でそして緑が多い住宅街で、あまり観光には向いていない場所かもしれませんが、私はこの場所が本気で好きになりました。

ここに住みたいと本気で思ったくらい。ってか、元々ココに私は住んでいたんじゃないのか?と思ったくらい。

この高台は。
この街で唯一でそして結構有名な「国立墓地」のある場所です。チェコの偉大な作家や作曲家のお墓がありますが、墓地とは言えど、本当に美しい。

墓標の前には大抵草花が植えられており、この草花の生きる糧となっているのは…と考えるとちょっとゾッとしますが、でも「還る」ってな言葉も連想され、

本来、全ての生きとし生けるものは土に還りそして新たな命を育む…。

そんなことを考えさせられ、いつまでも眼が離せなかった。

夕方5時になると…
このスグ傍にある教会から「我が祖国」が流れるんですよ。合唱コンクールでも歌ったことのあるこの曲を、言葉も全く通じない遠く離れたこの異世界で聞いた時、本当に驚きました。

何がドコでどう繋がってるのか分からんもんですな。


この高台で。
「我が祖国」を聞いていると、作曲家スメタナが、この曲を生み出さずにはいられなかった気持ちが何となく分かった気がした。

そんなことを思うと自然と口ずさんでおり、写真を撮ってくれた子供達も一緒に歌ってくれたんだよな。日本語とチェコ語の合唱だよ。


そんなことが一気に思い出された1枚です、この写真は。





あれからもう…2年が経とうとしてます。本当に早いなあ。

結局私は。
何を求め、何を探し、そして何を見つけられたのかハッキリとは分かりません。

でも確かに私は生まれ変わった気がする。


完全なる「孤独」の中で出会った人々。皮膚の色も髪の色も眼の色も全く違うし、言葉も全く違う。

普段の私ならば避けて絶対に関わらないようにしていた、まるで宇宙人のような人々と当たり前に挨拶を交わし、当たり前に笑顔を交わす。

一言二言で済むことなのに、言葉が通じないから必死でお互いジェスチャーをするけど、それも通じなくて…。

結局重たい荷物を担いで一緒にホテルまで連れて行ってくれた沢山の通りすがりの人たち。

郵便局ではウロウロ立ち往生していた私に、丁寧に順番札を取ってきてくれて、並ぶ場所まで連れて行ってくれたお兄さん。

スーパーでは他の国のお札と間違えていることすらも気付かず、堂々と出して、不信な顔をされ、初めて気付いて慌てた私に「綺麗なお金ね」と笑顔で対応してくれたオバサン。

ドイツ語の「ダンケ(ありがとう)」と「ビッテ(どういたしまして)」を思い切り間違えて、思い切り「ビッテ!」と叫んだ私に、眼を丸くしながらも「ダンケ!」と返してくれたパン屋のオジサン。


そんな些細な、普段当たり前に過ごしていた時には全く気付かなかったそんな些細な事たちが、当時の私には何もかもが新鮮で、そして同時に…


「ああ…間違っていなかったんだ」と物凄くホッとした。


色んなことがありすぎて。
わけが分からなくなって、人が全く信じられなくなって…。だから自分が一体何なのか?ってのも分からなくなってしまってでも、何だかもうどうでも良いや…とも思ったりもしたけれど、

「再確認」をして、そして今、私は。


「スナ」と言う1個の人間として生きています。そして私は人が好きです。




もう本当の笑顔なんて出来ない。なんて思ったこともあったけど、


「スナさん~笑ってばっかいないで仕事してください~」

「だってカレーライスさんがヘンなことばっか言うんだもの。注意するならカレーライスさんを注意してよ!」

「…カレーライスさん~、仕事してください~。スナさんの笑い声は良く通るので課長まで聞こえてしまいます~」

メガネが席を立って私とカレーライスさんの間まで来て、そして、ニヤニヤしている私たちを交互に見た。

「スナさんの笑い方って見ているこっちまで何だか幸せになってくるんだよね。だからつい…」

カレーライスさんがそう言うと、

「うん。スナさんって本当に幸せそうに笑いますね~」

メガネ上司はメガネを持ち上げそして言ってニヤリと笑った。オマエの笑い方は気持ち悪いから。



今の私だって、
辛くて泣いちゃうことも怒ることも沢山沢山あって、ウンザリするけれど、でも、

そんな中でもホンの時折訪れる幸せは思い切り全力で感じる。

それが今の私です。


「笑い方って…どうするんでしたっけ?」そんなことをボンヤリ医者に尋ねた過去も、そして笑い方を探して旅した日々も、

全てひっくるめて今の私です。


自分の笑い声を失った人間は今、全力で笑っています。






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