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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'11.02.Sat
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2009'04.18.Sat



level.47


一週間前から。
楽しみにしていたBランチの「鯛の煮付け定食」が完売で、ショックが隠しきれませんですた。

今日1番のショックな出来事です。


「どうする?私は別に何だって良いんだけど」
本当に、どうだって良いってな口調で一緒にお昼を食べている子が言っていましたが、反応できないほどフリーズしてしまっていた私のケータイがブブブ…と震え、ロクに着信も見ないまま反射的に出てみれば、

『もうお昼食べてる?』
カレーライスさんからですた。

「た…」

『た?』

「鯛の煮付け定食が完売してんですけどー!?」

『…あのさ今、俺とメガネさん、いつもの中華に来てんだけど…どうかなと思って…』


お昼は中華になりますた。


この部署に来て私はほぼ毎日、お昼は外に出かけます。一緒の連れもお昼を持ってこない人なのもあるのですが、一旦、この習慣が付くともう、狭苦しい休憩室でチマチマ昼食なんて食べてられません。

トイレもままならない束縛からせめて1時間でも解放される時間が無いと本当に気がおかしくなってしまう。


「お疲れ様です~」
私たちの姿に気付いてカレーライスさんが手を上げてくれたのですが、

昼時を過ぎた時間、すぐ分かるっての。


「何を食べてんですか?」
一目見れば分かる日替わり定食を男二人はガツガツ食べておりましたが、とりあえず聞いてみる。

「今日の日替わり、結構イケるよ?」
優しいカレーライスさんはそう答えてくれましたが、

「んじゃあ、天津飯で」


カレーライスさんのオススメで知ったお店ですが、本当にココの料理は美味しい。スターレーンの地下にあります。(分かる人にはコレで分かるはずだ)


「カレーライスさんが日替わりオススメしてんのに迷わず天津飯?!」
隣でムシャムシャ頬張りながらメガネ上司が話しかけてくるので、

「私も第3の眼を開眼させようと…」
一瞬、メガネ上司は「?」の顔をしましたが、

「ああ…そっちの天津飯ね…どうせなら俺は飛影の方が好きだけど」

「え~だって飛影は邪眼じゃないですか」

「だから何だよ…?飛影をバカにすんな」


「何の話…?」
私の連れがウンザリした顔で言いました。勿論、マンガトークです。
昼くらい、自由の身になったってバチは当たらんだろが…っ(逆ギレ)



昼ごはんくらいしか楽しみがないってのは、少々寂しいけど、

「ホントあの店、美味しかった」

会計を済ませ、会社へ向かっている途中でボソリ呟いたメガネ上司の横顔を見て、

「たまには外で食べるのも良いでしょう?パンばっかじゃ力が出ませんよ?米を食べないと!」

「…今度は天津飯を注文するよ。第3の目、開眼させないとね」

「何気に思ったんですけど、第3の目開眼してもメガネですか?」

「何で近眼前提!?」


ちなみに。
この店は会計時にドリンク無料チケットを1人1人にくれます。でもそのチケット1枚で4人まで無料になります…。

このドリンクチケットの魔の手にメガネも巻き込まれたか…と。


だって減らないどころか増えてるんだもの。連れが増えるたび、チケットも増えて行くと言う、本当に凄いシステムだなと思います。



「そういや…昨日貰ったメガネさんの仕事、ようやく全部終わりましたよ」

「それじゃあ、次の分は…」

「自分でやってくださいってか、褒めてください。上司の仕事を請け負う部下は私だけだと思いますけど」

「素晴らしい!」

「何ですか、ソレ」

「スナさんの真似」


あの泣きそうになりながらも必死に自分の気持ちを伝えた夜を境に、今までは一人で何でも抱え込んでしまうような人だったのに、開き直ったかのように次々押し付けてくるこの上司の力になれているんだと思う反面、

何か…違くね?

とも思う今日この頃です。


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2009'04.17.Fri



level.47


悩み事がありまして…。

そしてその悩み事を相談するのに1番適切で的確な人物は、元上司しか思い当たらなくて…。

このキィキィ言っていた繁忙期も何とか乗り切ろうとしている今、意外にも私は昨日今日と結構余裕があったのですが、そうなると、どうにか元上司に相談しにいけないものかとばかりを考え、ソワソワと落ち着かない。

そんな挙動不審な態度をしている時に限って現メガネ上司と良く目が合い、

「スナさん、余裕あるの?」

とか聞いてくるもんだから、「ええ、まぁ…」なんぞ素直に答えてしまえば、

「んじゃらば、ハイ、コレ」

オマエの仕事はいらん。しかも、上司は要領が良いのか、それとも頭の回転が速いから無駄を省くのか、途中経過の履歴を全く残さないし、残しているとしてもPCやらのソフト上ではなく、メモに走り書きなので、

「一体、コレは…何!?」

ってな状態の、まるで暗号解読のような仕事ばかりなので本当に世話が焼ける。

「頭の回転、速すぎです」

と文句を言えば、「んなこたぁ、ない!」と即答。でも実際、ワケが分からないので、

「ドラ○もん並みでお願いします。『ぼ~く~。ど~ら~○~も~ん~』ってな感じで」

「意味分からん!」

うん、意味分からんな。



そんなこんなやってると、突如傍に元上司が立っていたので思わず飛び上がってしまいますた。

あまりの喜びに「フニャー!」と奇声を発した私の頭を叩いたのは、元上司ではなく、メガネの現上司…。オマエはドラ○えもんの真似の練習をしとけ!


「お菓子、頂戴」

元上司にも少々…考えさせられます…。



「テレパシーが通じたのかと思いましたよ~」

と帰宅途中に寄ったマックで言えば、困ったような嬉しそうな表情をしてくれますた。

結局。
縋りつくように「相談があります!」と懇願した私の気迫に押されて無理矢理帰り時間を作って頂いたんです。ワーイ!



悩みの相談をしている最中…そして、元上司からのソレに対してのアドバイスの言葉を聞いている最中、思わず、

涙がポロリ。

「スナちゃん~」

「うう~すんません~」



過去の。

彼と過ごした日々のことを鮮明に一気に思い出し、私は何て幸せ者だったんだと。そして、

なんて残酷な人間だったんだと…。



星の王子様で。

王子様の言葉が今日のTOPですけども、まさにその言葉通りの気持ちです。

私は。
あの時、なんにもわかっていなかった。


彼は…
王子様のバラとはまるきり正反対で、本当に素直でいつも猫のように私に擦り寄って、甘えてばかりで。そしていつもいつも私を見守っていてくれた。

いつもいつも私の傍にいてくれた。


あんなにも大切にしてくれていたのに私は、何一つ分かっていなかったんだと恥ずかしくて、そして悔しくなって気付けばポロポロと涙が零れてました。



「スナちゃんは」

元上司は静かな声で言いました。

「その頃は分からなかったけど、でも今はちゃんと分かっているんだし、そして今の自分を後悔してはいないんでしょう?」

コクリと頷くと、

「なら何も恥じることはない。むしろ次に歩き出すべきだよ」


世界が。
モノトーンになって、まるで水の中にいるみたいに周りの音も遠くに聞こえてしまった時、

「気付かなくて…ごめんね」

と私を抱きしめて泣いてくれた彼のあの涙の分も、そして今日、その時の彼の事を思って初めて自然と流れた私の涙の分も、

全部ひっくるめてもっともっと自分を誇れる人になりたいと思った。



ようやく今日。

気が狂うほど…どうしようもなく好き過ぎて、そして傷つけることしか出来なくなって最終的には別々の道を歩くことを選択した私と彼のことを、

「過去のこと」として、受け入れられた気がした。


今日まで本当に、ありがとう。















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