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cesta 07

かいしんのいちげき

2024'11.02.Sat
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2009'05.31.Sun



level.47


引越しがしたくて仕方がないのですが、狙っている物件に空きが出ないので引越し出来ません。

こーゆー理由の人って…いるのかな?


こんばんわスナです。「作業」が山場を迎えており、部屋の中が本当に在り得ない状態です…親が見たら泣くよ。

「片付けられない女」って言葉を昔から聞きますが、まさに自分がそうなんじゃないかと思う。

いや!片付けるスペースが無いのだ!無いだけなのだ!!

と言う事で…。
引越しをしたいのですが、部屋に空きが出ないので出来ない…と。



過去にも、
物凄く引っ越したい!と本気で思い、必死に部屋探しをしたことがあって、その時に「ココだ!!」とドキューン!と来た物件があったのですが、時既に遅し…申し出た時にはもう他の人が契約をしており順番待ちってなワケなのです。

他にも勿論、色々探したのですが、どうしてもココが良い。

そんなワケで今もこれからもこの狭苦しい作業場と悪戦苦闘です。でもそろそろもう限界…どうしよ。


引越しの大きな理由となっている「作業」ってのが、写真の編集やら、そしてそれを利用した自分の作品作り、そして英語やらの勉強なんぞでありますが、

「スナさん、今度の休みはドコに行くの?」

とカレーライスさんに聞かれ、何故に休みの日はドコかに出かける前提で聞くのかな?と少々引っ掛かりましたが、

「残念ながら『作業』が押しているので引きこもりです…」

と答えれば、

「ああ、『オタク作業』ね」

とアッサリ言われたんですが、別にオタクじゃない。いや、オタクかな…。


神様…。思う存分、オタク作業が出来るスペースを私に下さい。



ココ最近仕事で。
特に忙しくないのに、トラブル続きで死にそうです。いつもこんなこと言っている気がするんだけど、本当に呪われているんじゃないのか?と思うくらい、在り得ないことばかり起こるのでちょっと本気で怖いです。

自分のミスなら何とか改善の努力をすれば良いのだけど、全く身に覚えのないところで信じられないことが勃発するので防ぎようがない。マジ勘弁して欲しい。明日神社に行ってお参りして来ようかな…。

まぁ…。
そんなトラブルが起きた時のために上司がいるってなワケですが、最近はメガネが私に対してあまり動いてくれないので本気でムカついてます。

新人さんたちには勿論のことですが、他の子等やカレーライスさんにさえ、クルクルと自ら良く動いてくれているのに、私が相談してもあまり乗ってくれない…相談しても「ああ…」で終わる。「ああ…」って、だから何だよ?!

聞くだけ時間の無駄だと最近は自力で他の部署の方々と交渉したり教えてもらったりしているのですが、何の権限も肩書きもない私が、そんなこんなしているといくらあっても時間が足りない…。

昨晩は。
久々最後の1人になってしまった。

「んじゃ、後は任せてもいいかな?」

総リーダーのオッサンまでメガネにそう言って上がって行くのを泣きそうになりながら見送った後、最後の点検を兼ねてみんなの席を回っていたメガネが私の隣に立ち、

「帰れそう?」

見りゃ分かるだろが!いつものように突っかかろうとしたけど、そんな気力も体力も無く、

「後はやっときますので、お先にどうぞ」

メガネはジッと私を見ていたけど、

「最近特にスナさんの担当でヘンな在り得ないトラブルが多いのは知っているけど、力になれなくて申し訳ないと思っている」

PCから眼を離してチラリとメガネを見ると、私の隣の席に座った。

「でも良い機会だとも思ってるんだ」

何だそれ?

「スナさんなら任せられると思ったんだ」


今。
本来ならば3人いるのが通常である皆のフォロー役が2人しかいなくて、しかもそのうちの1人は、あまり仕事の出来ない人なので皆が皆、メガネに頼ってしまっている状態です。

何も言わず、丁寧に迅速に皆のフォローでクルクル動いているメガネも、自分の仕事は勿論あるし、いくら仕事が出来るといっても人間、限界がある。

私はこのチームに来てまだ半年経ったくらいだけど、ずっと傍で見てきたメガネは私なら次のステップが出来るんじゃないかと思ったのらしいのだけど、

「ごめんないさい。私はそんなに強くないんです…」

珍しく弱弱しい声で言う私に少し驚いた顔をしたメガネに、本当に申し訳ないと思ったけど、

「強くなりたいと思っているし、努力はしているけど実際は何も出来ないし、言ってくれないと不安だし、私はメガネさんが思っているほどちゃんと出来る人間ではないんです」

シュンとしている私に、

「スナさんに足りないのは『自信』だよ」



自信…か。確かに。

誰よりも「自分を信じる」ってことに対して必死になっているのに、この世の中で最も自信がない人間なのかも知れない。


「もっと自分を甘やかしても良いと思うけど?」

それでも黙って下を向いている私に、

「…そうだな~。スナさん、写真が好きだって言っていたよね?」

コクリ頷く私に、ちょっと待っててと言うとフラフラとどっかに行ったけどすぐに戻ってくると、

「手帳に挟んでんだ」

ぬっと差し出されたのは…以前、私が貸したマンガに挟んで渡した、私が撮った花の写真付き絵葉書だった。

「まだ持ってたんですか!?捨ててくださいってか燃やしてください」

恥ずかしくてアタフタという私に、

「どうしても手放せなかったんだよ。俺、別に花も写真もカメラも興味ないけど、この写真見て単純に『凄い』って思ったんだ。こんな写真を撮る人だったんだって驚いたのもあるけど、今まで何とも思わなかった花をちょっと意識するようになったよ」

無意識に裏返したそのハガキには、私のヘタクソな字で、

「ただ聞いてもらいたかっただけです」


「こんな写真を撮れるっての、自信持って良いと思うし、仕事もそれと同じ。自信持って」

私の手からスルリとハガキを抜き取ると、

「今の状況も状況で…あまり力にはなれないかも知れないけど、聞くだけならいつでも出来るから」

そう言うとニヤリと笑った。



私は。
今の仕事で出世したいと微塵も思っていません。ただ淡々と与えられた分だけを平和に処理をしたいだけ。

でも。
どうせやるなら相手の気持ちを考えて良い仕事がしたいし「ありがとう」って言われるとやはりとんでもなく嬉しい。

この仕事が終わればもう2度とこの人の人生に私は関わることがないし、私のことなんてあっと言う間に忘れ去られてしまうんだと思うけど、それでも私にとっても相手にとってもお互いにとって、気持ちの良い仕事をしたいと常に考えながら仕事をしている。


それを評価してくれているこの上司をとても有難い事だと思うのと同時に、

そんなに私を買いかぶらないで欲しいともぶっちゃけ思う。



「んじゃあ、聞いてくれますか?」

ハガキの花の写真を見ていたメガネは「ん?」と私を見ると、

「この仕事、手伝ってください」

「話を聞くだけですけど~。それ以上になるとコレが発生しますけど~」

メガネ上司はそう言うと指で「¥」を示すマークを作った。どこのオッサンだよ。



もう何年にもなる趣味の写真も。

たまには撮れなくなる時があります。いくら撮っても気に入らない。同じような写真ばかりで気に食わない。面白くもなんともない。

でもそれでも撮り続けるのは、

好きだからです。



自分の撮った写真を自分で「良いな」と思う事は勿論ですが、それ以上に、

私の写真を見て、心を動かした人がいたってことを知れた瞬間があった時、

それが私にとてつもない力をくれます。私が私に自信を持てる瞬間です。

仕事でも。
「ありがとう」と言う言葉を聞けたとき、同じような気持ちになります。


そこまで行くまでの道のりは、本当に辛くて険しくてボロボロになって、それこそ「自信」なんてカケラもないけれど、不安ばかりだけど、


最後に笑えればそれで良いのかも知れないなと。

ってか、その最後が待ち受けているって思えば何てことないのかもなと。


ついつい思いつめて根詰めてしまう性格ではあるけれど、もっと気楽に肩の力を抜いて歩いてみても良いのかも知れないと思った。

ぽじてぃぶしんきんぐ。ですたい。








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2009'05.28.Thu



level.47


ちょっくら入用で。
以前の写真をボヘーと見ていたらば、こんなん出てきた。


2007年秋に旅した時の1枚です。


コンバンワ、スナです。1人旅だったので、自分の映っている写真なんぞ数えるほどで…ってか、元々「自分が写真に写る」ってのがニガテなので無くて良いんですが、

この風景だけはどうしても「自分がココにいた」ってのを残したくて、その辺にいたチェコの子供にジェスチャーで撮ってもらった苦心の一枚です。

チェコの首都、プラハの郊外に位置するこの場所は「ヴィシェフラド」と言う街で、流れている川は「ヴルタヴァ川」と言い、通称「モルダウ」です。

郊外なので、世界遺産に登録されているプラハの美しい建物が連なる景色とは異なって質素で素朴でそして緑が多い住宅街で、あまり観光には向いていない場所かもしれませんが、私はこの場所が本気で好きになりました。

ここに住みたいと本気で思ったくらい。ってか、元々ココに私は住んでいたんじゃないのか?と思ったくらい。

この高台は。
この街で唯一でそして結構有名な「国立墓地」のある場所です。チェコの偉大な作家や作曲家のお墓がありますが、墓地とは言えど、本当に美しい。

墓標の前には大抵草花が植えられており、この草花の生きる糧となっているのは…と考えるとちょっとゾッとしますが、でも「還る」ってな言葉も連想され、

本来、全ての生きとし生けるものは土に還りそして新たな命を育む…。

そんなことを考えさせられ、いつまでも眼が離せなかった。

夕方5時になると…
このスグ傍にある教会から「我が祖国」が流れるんですよ。合唱コンクールでも歌ったことのあるこの曲を、言葉も全く通じない遠く離れたこの異世界で聞いた時、本当に驚きました。

何がドコでどう繋がってるのか分からんもんですな。


この高台で。
「我が祖国」を聞いていると、作曲家スメタナが、この曲を生み出さずにはいられなかった気持ちが何となく分かった気がした。

そんなことを思うと自然と口ずさんでおり、写真を撮ってくれた子供達も一緒に歌ってくれたんだよな。日本語とチェコ語の合唱だよ。


そんなことが一気に思い出された1枚です、この写真は。





あれからもう…2年が経とうとしてます。本当に早いなあ。

結局私は。
何を求め、何を探し、そして何を見つけられたのかハッキリとは分かりません。

でも確かに私は生まれ変わった気がする。


完全なる「孤独」の中で出会った人々。皮膚の色も髪の色も眼の色も全く違うし、言葉も全く違う。

普段の私ならば避けて絶対に関わらないようにしていた、まるで宇宙人のような人々と当たり前に挨拶を交わし、当たり前に笑顔を交わす。

一言二言で済むことなのに、言葉が通じないから必死でお互いジェスチャーをするけど、それも通じなくて…。

結局重たい荷物を担いで一緒にホテルまで連れて行ってくれた沢山の通りすがりの人たち。

郵便局ではウロウロ立ち往生していた私に、丁寧に順番札を取ってきてくれて、並ぶ場所まで連れて行ってくれたお兄さん。

スーパーでは他の国のお札と間違えていることすらも気付かず、堂々と出して、不信な顔をされ、初めて気付いて慌てた私に「綺麗なお金ね」と笑顔で対応してくれたオバサン。

ドイツ語の「ダンケ(ありがとう)」と「ビッテ(どういたしまして)」を思い切り間違えて、思い切り「ビッテ!」と叫んだ私に、眼を丸くしながらも「ダンケ!」と返してくれたパン屋のオジサン。


そんな些細な、普段当たり前に過ごしていた時には全く気付かなかったそんな些細な事たちが、当時の私には何もかもが新鮮で、そして同時に…


「ああ…間違っていなかったんだ」と物凄くホッとした。


色んなことがありすぎて。
わけが分からなくなって、人が全く信じられなくなって…。だから自分が一体何なのか?ってのも分からなくなってしまってでも、何だかもうどうでも良いや…とも思ったりもしたけれど、

「再確認」をして、そして今、私は。


「スナ」と言う1個の人間として生きています。そして私は人が好きです。




もう本当の笑顔なんて出来ない。なんて思ったこともあったけど、


「スナさん~笑ってばっかいないで仕事してください~」

「だってカレーライスさんがヘンなことばっか言うんだもの。注意するならカレーライスさんを注意してよ!」

「…カレーライスさん~、仕事してください~。スナさんの笑い声は良く通るので課長まで聞こえてしまいます~」

メガネが席を立って私とカレーライスさんの間まで来て、そして、ニヤニヤしている私たちを交互に見た。

「スナさんの笑い方って見ているこっちまで何だか幸せになってくるんだよね。だからつい…」

カレーライスさんがそう言うと、

「うん。スナさんって本当に幸せそうに笑いますね~」

メガネ上司はメガネを持ち上げそして言ってニヤリと笑った。オマエの笑い方は気持ち悪いから。



今の私だって、
辛くて泣いちゃうことも怒ることも沢山沢山あって、ウンザリするけれど、でも、

そんな中でもホンの時折訪れる幸せは思い切り全力で感じる。

それが今の私です。


「笑い方って…どうするんでしたっけ?」そんなことをボンヤリ医者に尋ねた過去も、そして笑い方を探して旅した日々も、

全てひっくるめて今の私です。


自分の笑い声を失った人間は今、全力で笑っています。






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