私ハ宇宙人ダ！

level.46

こんばんわ、スナです。
眠くて死にそう。休み明け１２時間ブッチギリ耐久レースの１日ですた。


朝から春一番が狂ったように吹き荒れ、誰が開けたのか、窓からビュービューと風が吹き通り、ラジオ体操（毎朝この職場はラジオ体操第一から始まる…）をしている時、ＰＣの上に立ててある私の名前のプラカードが吹っ飛び、私のメガネに激突しますた。

「うわっ！？名前飛んだよ！？」

反射的に仰け反って、引っくり返りそうになりながら叫ぶと、その仰け反った頭に、カレーライスさんの最後の深呼吸をしていた手刀が、私の脳天に直撃。

そっからもう、不吉な前触れではあったのですが、今日はノンストップで１２時間、会社におりますた…。

昼飯は…？アレ？　晩飯は…？アレレ？！

つうか、昼過ぎから隣の新人さんの姿が見えず、研修か何かに行っているのかと思ったのですが、何時間経っても戻ってこないので、メガネに問えば、「体調悪いとかで帰った」

私も昼飯食べ損ねて気分悪いので帰ってイイデスカ？



新人さんがいないのを良いことに、フニャー！ハニャー！と思う存分奇声を発しながら仕事をやっつけていると、隣のカレーライスさんがボソリ、電話の受話器を持って話しかけてきたので、何事かと思えば、

「電話で最初に『もしもし？』って言うでしょ？」と…。

どうした、カレーライスさん。キサマは昼飯、何を食べやがった？


「ああ、『申し上げる、申し上げる』ってな意味の言葉がもじって『もしもし』ってなったんでしょう？」

と、愛用ツボ押し機の「坪井さん」で一息つきながら応えれば、

「いや、それもあるけど『こちら人間です』って意味もあったんだって」

…何だソレ？キサマは昼飯、何を食いやがった？


「電話なんて不可解なモノを怖れないように、『私は人間ですよ～』って相手を安心させたんだって」

ふぅん。ふぅぅぅｘ～ん。


「『我々ハ宇宙人ダ』みたいですね」

どう応えれば良いのか分からなかったので、そう応えながら、声色を変えて、

「私ハ宇宙人ダ。私ハ宇宙人デアルゾヨ！」

と、もう何かおかしくなって連発…。でも何だか気持ちが良くなってきて、


「地球人共、平伏スガ良イ！私ハ宇宙人ダ！」

と調子に乗って叫んだところで、

「宇宙人さん、ちょっと良いですか？」



メガネが私とカレーライスさんの間の後ろに突っ立ってますた…。メガネとの打ち合わせの時間を、私はスッカリ忘れてたのです。


「宇宙人さん、この案件なんですけど…」

「あ…あの。すんませんでしたー！」

「いや、別に良いんだけど、新人さん担当のあの件なんだけど、この前、対応してくれたんでしょ？」

『宇宙人』を連発してもクスリとも笑わないメガネの柔軟性にある意味驚きですが、

「んで、後処理全部終わった？」

なんと！おこがましいヤツだ！元上司がキッチリカッチリ話を付けてくれたハズなのに、もうコイツ忘れてるよ！？こいつこそ、宇宙人なんじゃね？！


「ちょ、確かに私がちょっと手助けしましたけども、責任者はメガネさんでしょうが！」

はぁ、まぁ～…。なんぞ、歯切れの悪い返事を聞きながら、本当にこのメガネ上司が分からなくなってしまいました。


あんなに仕事が出来るのに、なんで新人さんの指導は曖昧なんだ？


何だか気まずくなって、クイッとかけていたメガネを上げると、メガネ上司もつられたのか、クイッと自分のメガネを上げていたその時。

私たちの座っていた簡易のミーティングデスクの前を、丁度通りかかった元部署の子に、

「あら、同じような黒縁メガネが２つ」



明日はコンタクトで行こうと心に誓いますた。

「働く」ということ。

level.46


ヨガ教室は…
色んなことが重なってお流れになっちまいますた。

ま、無理はしない。いつでも予約は出来るし。



こんばんわ、スナです。

ヨガ教室は体験出来なかったけど、その代わり、元上司と久々ジックリと色んな話をしますた。


新人さんがやってきて…。
初日のときメールしちゃったんですよね、この元上司に。

本当に凄く話しやすい人なので、前々から色んな相談はしてたし、このチームに異動になってからも色々と相談に乗って貰ったり助けて貰ったりしてたんですが、今回も…

実はメガネが頑張って新人さんの指導を彼なりにしていたのは、この元上司が裏で手を回してくれていたからだと言う事が判明しますた。

まぁ。
ぶっちゃけ、メガネ上司は取っ付き難い人だと思う。私も最初はカナリ遠慮してたし。

でもただ単に人見知りをする人であり、そして前にも述べたけど自分からは必要最低限のこと意外、話さない性格なんです。

新人さんはとてもマイペースで初日からイキナリ私に笑顔でタメで話しかけてくるちょっとビックリする人ではありましたが、まぁ、これもこの人の性格なんだろうなと…。


世の中。色んな人がいるワケなのです。



私の場合…。

早く回りに馴染みたくて自分から挨拶に回ったり、何かしらキッカケを見つけては自分から話しかけたりするんですが、この新人さんはスグ隣の私にだけしか今のところ懐っこく話しかけてきません。

多分…カレーライスさんの存在も気付いてはいないんじゃないか！？とふと、思ってしまうほど…。

まぁ、色んな人がいるワケです。



でも。
私もまだまだ奴隷のように必死にアクセク働かないと付いていけない状態なワケで…。


メガネも忙しいのは隣に今までいて良く分かっているのだけど、ぶっちゃけズバリ、メガネがこの島のリーダーなんです。

仕事に関しては物凄くシビアで現実的な元上司は、私の仕事の悩みをメガネにズバリ、言ってくれてたのです。


メガネの仕事は、いかにチームが円滑に仕事が出来るかフォローをすることです。

それで。
２日目以降は、なるべく私の業務の妨げにならないよう、また新人さんがポツンと手持ち無沙汰にならないよう、彼なりに頑張っていたと言うわけなのですが…

それでもまた事件は起きてしまい、そして何も知らなかった私はメガネにご立腹したわけですが、


違うチームとは言え、うちのメガネと同じように皆を見る立場である元上司との話は、単にチームの人と話をするよりもカナリ違った感覚で…

色々と勉強になりました。


ああ、メガネもこんな気持ちだったんだよなと。


あくまでも。
メガネはリーダーであり、メガネが皆に眼を配らなければいけない立場ではあるけれど、

でも…

人には向き不向きもあって、それを補い合うことも大切なことなんだよなと。


メガネは本気で凄い仕事が捌けます。本当に凄いと思う。

だけど。
そのことが分かるのは、それなりに仕事を把握できている人間だけだと思う。

右も左も分からない状態の新人さんには、メガネの応用編から入る上にぶっきらぼうな指導は、とても困難かも知れない。

それが分かるのも、この数ヶ月間実際にメガネに指導を受けてきた私だけだと思うのです。


覚悟は新人さんのお隣になったあの初日に決めた。
決めただけでなく、実践に移さなければ意味がない。

今日。
元上司と話をしながらそう思いました。


「どうすれば私の仕事のレベルが上がるかな？」
つい昨日、新人さんのフォローに回って一人残業になってしまったことを
思い返しながら、今の私の処理能力や仕事の仕方を二人で話しました。

数年前。元上司も、同じ仕事をしていたから分かるんです。


私の上司だった頃は。
仕事の仕方などを聞いたこともなかったのに、こうして離れてからの方が仕事に対して真剣に話をしている…何だか可笑しな気がしたけど、そーゆーもんなのかもなと。

巣立った後、親の有り難味を心底思い知るってなね。わっははー！


元上司に頂いた秘訣を明日から実践だぜよ。



まぁ。
だからと言って別に私は今の仕事に人生をかける！ってワケでは決してなくて、むしろ今すぐにでも辞めたいってな気持ちは全く変わらないんだけど、

でも。

メガネやカレーライスさんや…そして、影で沢山支えてくれているこの元上司に出会えたこの職場は、

私に大切なことを思いださせてくれたんです。




以前の職場で、私は。

凄く辛い目に会いました。人間不信にも少し陥りました。バランスがガラガラと崩れ、取り戻すために私のことどころか、日本人も何も関係ない、誰も何も気にしなくて良い海外へ旅立ったってのもあります。


「職場」と言うものに対して。

冷たい凍てついた感情になってました。この会社に入社した時も、ぶっちゃけ誰とも仲良くなるつもりなんてこれっぽちも無かった。

仕事は仕事。私には他にやりたいことがあって、そのための資金稼ぎ。



だけど。

そんな凍り付いて固まってしまっていた心をいつの間にか溶かし、そして再び動き出させてくれた…そんな元部署の子達に感謝してます。

やっぱり。「働く」ってのはこうじゃなくちゃ！と。


人と人との繋がりや支え合いをヒシヒシと身に染みて感じられるのが「働く」って時だと思うんです。


だから。

新人さんにも例え仕事は辛いときがあっても、それでもすぐ隣にいる私たちを感じてそして笑って欲しい。

そんな雰囲気を作れる支えになりたいと思うのです。



ぶっきらぼうのメガネも。無口なカレーライスさんも。

根は凄く温かくて優しい。


それを分かって欲しいと思う。